投資の基本を押さえれば、ヘッジファンド投資での失敗は抑えられる!
プロに資産運用を代行してもらえるヘッジファンド。
投資をプロに任せて失敗することなんてあるのかな。実際にヘッジファンドに投資して大損した人っているのかな。
特に、これから実際にヘッジファンドでの運用をお考えの方はヘッジファンド投資で失敗してしまう人がいるのか気になるところですよね。
そこで、今回は
この記事で学べること
- ヘッジファンド投資の4つの失敗例
- 安全なヘッジファンドを選ぶ4つの方法
- 過去にマイナスを出した年ゼロの優良ヘッジファンド
実際、筆者は6年に渡りヘッジファンドへ投資を行っていますが、現状マイナスは一度も出ておりません。ヘッジファンド投資に失敗してしまう方には、やはりそれなりの理由があると感じます。
資産運用を代行してくれるヘッジファンドへの投資で、失敗することなく効率よく資産を増やしていけるよう、まずは以下でヘッジファンド投資の失敗例を把握しておきましょう。
失敗事例4選とその予防法
以下でヘッジファンド投資の具体的な4つの失敗事例を確認し、ヘッジファンド運用失敗の予防方法を探っていきましょう。
1.詐欺ファンドへ投資
ファンドと呼ばれる金融商品は数多く存在しており、元本の殆どが戻ってこない、ファンドの販売者と連絡先が繋がらなくなってしまった、そんな詐欺ファンドも存在します。
特に注意したいのが、ポンジスキームという詐欺の一種。新規の出資者が預けたお金を、既存の投資者に配当として横流し。実施に運用は行わず、資金繰りが危うくなった段階で残りの資産を持ち逃げすると言ったもの。
例を上げれば、バーナード・マドフ事件。米ナスダックの元会長バーナード・マドフが投資グループ内でお金を集め、既存の投資家に配当として回し、年15%前後の利回りがあったように偽装。
資金が回らなくなり、結果650億ドル(約6兆円)被害を出しました。その被害者の中には日本の大手証券会社「野村證券」も含まれていたというから驚きですね。
米中堅証券会社社長のバーナード・マドフ(Bernard Madoff)容疑者による巨額詐欺事件で、野村ホールディングス(Nomura Holdings)は15日、同容疑者に関連するエクスポージャー(価格変動リスクのある資産の割合)が275億円相当に上ることを明らかにした。
引用:AFP
予防法
まず、詐欺師たちはとにかく資金を集めようと甘い言葉で投資者に近寄ります。ポンジスキームでよくある、以下のような勧誘文句には十分注意したいところです。
- 20%以上の高すぎる利回り
- 元本保証
- 毎月配当
投資の神様と呼ばれる、米国投資家ウォーレン・バフェット氏の利回りは年平均で約20%。コンスタンスに20%もの利回りを出せるファンドが存在していたとしたら、世界の注目の的ですね。
そう考えると、年利20%を超える利回りを謳う小型ファンドにはまず、疑心の心を持つ必要があると言えるでしょう。
また、元本保証、毎月配当という言葉も、どんどん配当として出資額が出金され、最終的に資金がショートして破綻、出資額が1円も戻ってこないなんて事も考えられます。
マーケットは常に動いており、2020年のコロナショック時など市場の急落局面では、負け知らずの大手海外有名ヘッジファンドでもマイナスを出しています。
同氏の1480億ドル(約15兆6000億円)規模のヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツは今年、競合他社が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による市場混乱の中で利益を上げている傍らで大きな損失を出している。旗艦ファンド「ピュア・アルファ・II」の8月時点での年初来成績はマイナス18.6%。
引用:bloomberg
元本保証のファンドというものは存在しません。投資に値下がりのリスクはつきもの。ファンド投資で儲けたい気持ちが先走り、詐欺業者の甘い言葉に騙されないように十分に注意したいですね。
2.運用会社の破綻
投資の代行会社であるヘッジファンドへの投資リスク一つに、運用会社の破綻リスクがあります。ヘッジファンドに限らず運用会社は、運用の結果によっては破綻する可能性を含みます。
例を上げれば、LTCM(ロングキャピタル)の破綻。ノーベル賞を受賞した有名学者マイロン・ショールズ氏もメンバーに含まれ、ドリームチームとまで言われたファンド。
ファンドの設立当初は、大きなレバレッジを効かせた、金利スワップなど、流動性が低く、不確実な市場取引にもリスクを取り積極的に参入。結果、運用額は4年で3倍。年平均40%という驚異のリターンを記録しました。
しかし、時は1998年のロシア危機。金融危機収束後の値上がりを見越して、流動性の低いジャンク債を買い込みましたが、予想に反しジャンク債は更に値下がりを見せます。
マーケットの読みを大きく外したLTCMは短期間に巨額の損失を抱え、1か月で純資産の半分を失い、結局同年に実質破綻することになります。
同社と同じ運用ポジションを取っていた金融機関も同時に多額の損失を出したことからも、LTCMが破綻することは誰にも予想できなかった出来事であったと言えますね。
予防法
最低出資額が高額になりやすいヘッジファンドでは、資産を増やすことより、減らさないことを一番に考えた運用を行うファンドに投資することが何よりも大切。
LTCMのように、大きなレバレッジをかけ、さらに流動性の低く、不確実なギャンブル性の高い市場に投資しているようなファンドはよほど資産に余裕がない限り、避けるか、資産の一部の分散先に留めたいです。
リスクとリターンは比例関係にありますので、ファンド選びの際には、過去の運用成績を確認し利回りの変動幅が出来るだけ小さいものを選べると安心ですね。
3.損失が出て解約
先述したとおり、投資に「絶対」はありません。いくらプロが運用すると言っても、相場の状況によっては一時的にマイナスが発生する可能性も含んでいます。
以下図は、11年間の世界のヘッジファンドの平均パフォーマンス状況を示したグラフです。
参考:日本経済新聞 ヘッジファンド苦戦、リーマン危機以来に悪化
リーマン危機、欧州債務危機などの下落相場では、マイナスが出ていることがわかります。いくらヘッジファンドと言っても、下落相場では一時的な損失が発生することは十分考えられます。
ここで見ておきたいのが、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が率いるヘッジファンド「バークシャーハサウェイ」の株価推移です。
株価は一時的な下落と上昇を繰り返しながら50年間という長期に渡り、平均年利20%という高利回りを実現しています(図内オレンジ線)。
参照:SBI証券
一時的な資産価値の下落に惑わされ、勢いで解約をし、逆に大損をしてしまうようなことがないよう、解約時期はしっかり見定めたいところです。
予防法
また、レバレッジ型のファンドなどを除き、基本的に安定運用を目指す多くのヘッジファンドは長期投資を前提として投資運用を行っています。
価格の揺れ幅(リスク)を最小限に抑えに行く戦略のため、タイミングと言うよりも時間に投資する意味合いを含みます。
出資を始める前には、投資ファンドの運用方針や利益獲得の方法、以下のようなファンド解約基準を明確に定めておくと、失敗しにくくおすすめです。
決めておきたい解約基準
・下落幅がいくらまで、何期減益が続いたら解約するか。
とは言っても、実際に投資を行う際は過去のレコードも確認し、解約の必要がないファンドを選びたいですね。
4.日々の生活費まで投資
投資で借金をすることになってしまったといった話もよく聞きますが、基本的には現物投資において元本以上の損失を負うことはありません。
多くのケースは、信用取引に失敗したり、生活費まで投資に回してしまったということが殆ど。
ファンドとの面談の際はリスク度合いを推し量るためにも、レバレッジの利用有無や過去何倍までのレバレッジをかけたことがあるかはヒアリングしておきたいです。
「1年で年利20%を超えているファンドなら、手元にあるお金を1円でも多く投資し増やそう」なんて考えは禁物です。リスクは最小限に抑えることはできますが、リスクのない投資先は存在しません。
ヘッジファンドへ投資を行う際には、投資資金と生活費は切り離して考えべき。損失が出てもじっくり回復に時間をかけられる、余裕資金を出資するのが鉄則です。
予防法
適切な投資額というのは、投資者の年齢やライフステージによっても異なります。サラリーマンの方がボーナスで運用するのと、今後定期所得が望めない退職者が退職金の運用をするのでは、適切な運用額は異なるのは当然ですよね。
安定性の高いヘッジファンドへの投資となると、最低5~10年程の長期投資が前提の運用設計となっていることが多いです。
安全運用かつ利益効率を最大限高めるためにも、最低10年間の間は使う必要がない資産を長期的に運用出来ると良いですね。
また、ヘッジファンドの場合、ロックアップ期間(契約から解約可能になるまでの期間)が設定されているものがほとんど。このロックアップ期間も考慮して、生活に無理のない出資額を設定することがポイントです。
安全なヘッジファンド(資産運用代行会社)を選ぶには?
さて、ここまで失敗事例4選とその予防法について見てまいりました。ここで改めて、安全なヘッジファンドを選ぶ方法を3つまとめていきたいと思います。
これから紹介する3つのポイントだけでも抑えておけば、ヘッジファンド投資の成功確率はぐっとアップするはずです。
1.運用資産額を確認
ヘッジファンド投資で避けたいのが、流動性が低いファンドへの投資。運用額があまりにも少ないファンドへ投資して、解約したいときに解約できない、資金が回らなくなってファンドが倒産という結末は避けたいですね。
ヘッジファンドとの面談の際は、運用資産額の推移についてもしっかりヒアリングできると良いですね。潤沢な運用額を維持しているだけでなく、右肩上がりになっているかも注目ポイント。
ファンドの運営や運用成績に問題があるファンドは、解約が立て続き、運用資産額が安定しない傾向にありますので、しっかり確認しておきましょう。
また、いくら右肩上がりとは言っても、急激な資金流入が見られる場合も要注意。今までの運用手法や投資スタイルでは巨額な預かり資産を運用しきれず、路線を急変更、失敗するリスクを伴います。
運用資産額が、ゆるやかな右肩上がりの線を維持できているファンドに投資したいところです。
2.リスク度合いを確認
特に、運用期間が短い新しいファンドへの投資をお考えの方は、リスク度合いの確認は必須です。
ヘッジファンドと言ってもその種類は様々。一般的に、レバレッジをかけていたり、ショートポジションを頻繁にとるヘッジファンドに関しては、まとまったリターンを狙える反面、比較的ハイリスクである点は覚えておきたいですね。
また、リアルタイムで売買ができる株式へ投資するファンドとは異なり、債券へ投資するファンドなどは流動性が低くなるリスクを伴います。
ご自身の資産や投資ポリシーなどに合わせて、無理のない範囲のリスクで利益を狙いにいけるファンドへの出資を行うと失敗しにくいですよ。
3.過去のレコードを確認
投資先ファンドを選定する際に一番に気になるのが「運用成績」。複数ファンドを比較し、一番直近の運用成績が良いファンドに投資しようとお考えの方もいるでしょう。
しかし、その好成績はどのように実現されたものでしょうか。一か八かのギャンブル的投資で偶然当たって得られたものだとしたら、どうでしょう。
そのような形での好成績の裏側には、今後ファンド運用者の予想が外れれば大きな損失を生んでしまう可能性が隠れていることを意味します。
投資ファンドの選定の際は、運用成績だけでなく、
・投資先ファンドの投資手法
・下落相場のリスク管理方法
など、気になることは多方面から事細かく、担当者にヒアリングする必要があるでしょう。
まあいいやで済ませずに、しっかりご自身で内容を理解し、勝算のあるファンドに投資することが大切です。
4.ブログなどで情報収集
数年前までは到底考えられなかったことですが、ヘッジファンドの大衆化により最近ではヘッジファンド関連の個人ブログも多く見られます。
ブログにて実際の投資者の生の声を耳にすることで、ヘッジファンド投資のイメージが大分つかみやすくなるでしょう。
もちろん、ヘッジファンドとの面談の場でファンドの詳細はヒアリングできますが、投資者と運用者との両方から話を聞くことで、客観的な立場で投資判断が出来るでしょう。
ヘッジファンドブログ一例
・ヘッジファンド BM CAPITAL 完全ガイド
過去にマイナスゼロの優良ヘッジファンド
ここまで説明してきた内容を踏まえるだけでも、ヘッジファンドでの失敗のリスクは大分抑えられるでしょう。
しかし、前提としてやはり過去安定した運用を行えているファンドに投資することが安全かつ大切なことです。
そこで、以下過去に一度もマイナスが出ていない国内ファンドの中から、運用期間が長く安定しているものを1社ご紹介します。
BM CAPITAL(ビーエムキャピタル)
今回、紹介するBMキャピタルは、2013年からと設立から7年が経過した老舗国内ファンド。運用開始からマイナスを出した回数ゼロ、徹底リスク管理に定評があります。
かつ年間利回りが10%を超すなど、高利回りな国内ヘッジファンドとしても人気を集めています。
安定した運用成績に加え、同ファンドのロックアップ期間は3ヶ月。運用開始から3ヶ月で解約可能になるということで、通常半年以上資金がロックされてしまうヘッジファンドの中ではかなり良心的です。
運用レポートも3ヶ月に1回貰えるので、まず3ヶ月間お試しでファンドへ投資を行い、送られてきた運用レポートを確認した上で継続、解約の選択を行っても良いでしょう。
同社は運用期間が長いこともあり、出資に当たり参照できるデータも豊富。面談の場にて過去の運用実績を見せてもらうだけでも、大変に勉強になりますよ。
失敗のリスクを抑えれば、投資の良きパートナーに
さて、ここまでへッジファンド(資産運用代行会社)投資の失敗例、安全なヘッジファンドを選ぶ方法をまとめて紹介してまいりました。
ファンドと言ってもその種類は様々。ご自身の経済や生活の状況に合わせたファンドを選ぶことが、一番のリスクヘッジと言えるでしょう。
株式投資などと比べると馴染みが浅いヘッジファンドですが、自身にあったファンドさえ見つけられれば、投資の手間をかけずに資産を安全に運用していける、投資の良きパートナーとなりますよ。
以下、国内でも初心者向けのファンドをまとめた記事もございますので、ファンド選びの際に是非ご活用ください。
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