資産を守る!海外投資は方法さえ選べば初心者でも無理なく取り組める
有名な投資のことわざに「卵はひとつの籠に盛るな」という言葉があります。
資産を日本円だけで保有していると、今後日本の経済悪化や突発的なイベントが発生した際に大きく円の価値が毀損、合わせて円で保有している全資産に影響を受ける可能性も。
海外投資と聞くと難しいイメージですが、実は方法を選べば日本国内で投資を行なうとの同じように手軽に投資を行なうことが出来ます。
また、資産分散の意味合いだけでなく、今日本よりも成長率が高い他国へ資産を投資でき、より資産運用の速度を加速させることも可能。
そこで今回は、筆者本郷マサシが
この記事で学べること
・個人で取り組みやすい海外投資法5選
・海外投資を行った際の税金の申告方法
まで、まとめて紹介します。
これから、国内外へ資産を分散させたい方は必見のコンテンツです。
海外投資ってそもそも何?
海外(外貨)投資とは、日本円から、米ドルやユーロ・オーストラリアドルやポンドなど様々な外国の通過に投資をする事です。
為替レートは日々変動をしていて、このレートの変動から利益を生み出す事もできれば、高金利な国の外貨に投資する事で日本国内では考えられないような、利息を受け取る事も可能です。
取り組むメリット
・資産をインフレのリスクから守れる
・国内投資より大きな利益を狙いにいける
冒頭で述べたとおり、投資商品の一部を海外投資にするのはリスクヘッジに繋がります。
極論になってしまいますが、海外投資に取り組まず、日本の金融商品だけで投資に取り組んだとします。この場合、日本の財政が悪化して日本が財務破綻に近づくと投資した商品の値が軒並み下がることが想定できます。
海外投資を利用し他国に投資をした場合、自国を含め特定の国との関係性は弱まり投資や資産運用の安定性さは増します。
また、実際に現在日本は年2%の物価上場を目標としており、物価の上場とともに通貨の価値は下落することは容易に予想できます。海外投資は日本の物価上場(インフレ)のリスクから資産を守ることにも繋がります。
さらに、海外企業の株式や海外の不動産の中には今後圧倒的な値上がりが期待できる商品もたくさんあります。
以下、東南アジアに位置するインドネシアの5大都市の不動産価格を示したグラフになりますが、安定した上昇傾向にあることが分かりますね。
引用:Global Property Guide Indonesia
日本よりも高利回りな金融商品へアプローチできるのも、海外投資に取り組む大きなメリットであると言えるでしょう。
取り組むデメリット
・為替変動のリスク
・国家の崩壊リスク
最初の値下がりリスクというのは、投資をした商品の価値が下がるリスクです。ご存知かもしれませんが、投資商品の値下がりリスクは期待利回りの大きさに比例します。
つまり、日本の投資商品よりも期待利回りが高い、海外投資商品の値下がりリスクは国内の投資商品よりも当然高くなります。
基本的に海外の投資銘柄はドルやユーロ建てで表記される以上、為替相場の変動によって日本円での資産価値が大きく変わります。その結果、購入した投資銘柄の価値が上がったとしても為替の変動によって日本円換算すると減益が発生することも起こり得ます。
価格変動だけではなく、為替の変動についてもチェックしないといけないというのは国内の投資商品にはない海外投資のデメリットですね。
さらに、一部の外国の場合は国家の破綻リスクがあります。代表的なものでいえば、債務不履行による財務破綻、他国からの侵略によって国自体が消失することが挙げられます。
特に、大きな値上がりが期待できる新興国に投資をする際は国家の崩壊リスクも念頭に入れた方が良いでしょう。
どんな商品があるのか?
さて、ここまでの内容で海外投資のメリット・デメリットまでは理解できたと思います。
続けて本題、日本から外貨投資を行なうにはどのような方法があるのか以下5種類の方法をまとめていきます。
商品 | 購入場所 | 概要 | 金利 |
---|---|---|---|
外貨預金 | 銀行 | 外貨で銀行預金を行なう | 0.01%~6% |
外貨MMF | 証券会社 | 外国債券を投資対象とする投資信託 | 0.50%~4% |
外貨債券 | 証券会社 | 外国債券へ直接投資する | 0.50%~数% |
外貨投資信託 | 証券会社 | 国籍が外国にある投資信託へ投資 | - |
FX | FX業者 | 外貨を取引しレートの差で利益を出す | - |
1.外貨預金
外貨預金とは、日本でなく外国の通貨で預金をすること。
日本円の普通預金と同様に、普通預金と定期預金の2種類があります。
普通預金は1ドル、1ユーロなどの1通貨単位から始めることができます。定期預金は満期がある預金で、期間は1ヶ月、3ケ月、6ケ月、1年などがあり最低預入金額(一般的には100通貨単位)が設定されています。
定期預金は、中途解約が原則的にできません。外貨預金の特徴として満期日が預入日よりも円安であれば、為替差益、円高であれば為替差損が発生します。つまり、為替レートを考慮した投資を行なう必要があります。
また外貨預金の取り扱い通貨は多種多様で特に人気があるのは、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、ニュージーランド・ドル、南アフリカランドなどの高金利な通貨。
また銀行によって、適用金利は異なります。これは銀行が市場金利から各銀行で、銀行の手数料を何%か差し引くからです。
大手銀行よりも、ネット銀行の方が金利が高く為替手数料が安い傾向があります。外貨預金での資産運用の際には、銀行選びも大変重要。
外貨預金で外貨投資を行う際は、各銀行の金利や手数料を徹底的に比較して有利な環境で取引を行えると良いですね。
商品データ
・初心者でも比較的簡単に外貨投資ができる
・為替差益で利益獲得ができる
・円安での資産価値損失に備えられる
(デメリット)
・円高による元本割れの可能性
・投資先国家の政治の混乱や災害のリスク
(ポイント)
・なるべく複数の資産に分散して投資する
・預け入れ時期を分散させる
(購入方法)
※最低投資額:100円程から
・銀行の窓口やネットバンキングにて購入
2.外貨MMF
MMFとは「マネー・マーケット・ファンド」の略で、投資のプロにお金を預け代わりに運用してもらう、言うならば「外貨建ての投資信託」です。
投資信託では株式や不動産など様々な金融商品に分散投資しますが、MMFの場合は基本的に「債券」を投資対象としています。
債權利というのは簡単に言いますと借金のようなもので、例えばA社の債券を買うと投資者はA社にお金を貸したことになります。
お金を貸している間は利息が発生するのと同様に、債券を保有している間は利息がつき、貸したお金に利息がついて戻ってくる仕組みとなっています。
つまり、MMFとは運用のプロを通していろいろな会社にお金を貸し、その利子を利益として受け取るということです。そして、外貨MMFとはそれを「外貨」で行います。
外貨MMFは1,000円以下からと少額からお小遣いで始めることができるのが、初心者に嬉しいですね。
商品データ
・初心者でも比較的簡単に外貨投資ができる
・為替差益で利益獲得ができる
・円安での資産価値損失に備えられる
(デメリット)
・円高による元本割れの可能性
・投資先国家の政治の混乱や災害のリスク
(ポイント)
・なるべく複数の資産に分散して投資する
・預け入れ時期を分散させる
(購入方法)
※最低投資額:1000円程から
・証券会社や銀行の窓口や公式サイト上にて購入
3.外貨債券
外国債券とは発行体、通貨、発行場所のいずれかが海外となっている債券を指します。その種類をまとめると、以下の通り。
種類 | 概要 |
---|---|
外貨建債券 | 元本の払い戻し・利子の受け取りが全て外貨にて行われる |
円貨建債券 | 購入時の払い込み・利子受け取りがすべて日本円で行われる |
二重通貨建債券 | 購入時の払い込み・利子受け取りが、二種類の通貨で行われる |
外貨建債券の場合は全てが外貨で行われるので、為替差益が狙える反面レートの動きによっては損失が発生する可能性があります。
また、円貨建債券の場合は全てが円で取引されるので為替の心配が必要ない反面、為替の恩恵を受けることが出来ないのが事実。
二重通貨建債券の場合は二種類の通貨で取引され、上記2種類の両方の特徴を持つ債券。
外貨債券は仕組みが複雑ですので、投資中級~上級者向けの投資法であると言えます。投資初心者の方であれば、先述した外貨MMFなどに投資し外貨債券投資を投資のプロに丸々お任せするのが得策でしょう。
投資中級~上級者の方で手数料を抑え外貨投資を行いたい方は、しっかり知識付けを行った上で外貨債券への直接投資を考えても良いですね。
商品データ
・初心者でも比較的簡単に外貨投資ができる
・為替差益で利益獲得ができる
・円安での資産価値損失に備えられる
(デメリット)
・円高による元本割れの可能性
・投資先国家の政治の混乱や災害のリスク
(ポイント)
・なるべく複数の資産に分散して投資する
・預け入れ時期を分散させる
(購入方法)
※最低投資額:数十万円~数百万円程から
・証券会社の窓口や公式サイト上にて購入
4.外貨投資信託
外貨投資信託はその名の通り外貨で運用される、投資信託のこと。外貨投資信託にも円建て投資信託と外貨建て投資信託の2種類が存在。
円建て投資信託の場合は円で決済が可能な為、既存の証券口座にて手軽に購入可能。円建て投資信託の中には為替のリスクを抑えるために、「為替ヘッジ」という機能がついている商品も存在します。
為替のリスクを最小限に抑えて投資を行いたいた方は、為替ヘッジありの商品を選ぶことでそのリスクを軽減させることができるでしょう。
しかし、為替ヘッジを利用することでヘッジにコストがかかる点、また為替の影響を抑えにかかるため為替差益の恩恵は薄まることは留意したいですね。
外貨建て投資信託の場合は全て外貨で決済されるため、証券会社で「外国証券取引口座」の開設が必要となります。外貨で運用する場合為替の値動きが気になるところですが、外貨で運用した場合外貨のまま活用することも可能。
海外旅行や海外への長期滞在を予定している方は、旅行資金として円に戻さずそのまま外貨でプールしておき、外貨のまま利用することを考えても良いでしょう。
そんな外貨投資信託の投資先は多種多様。海外株式・債券・不動産などさまざまで、国内証券会社で購入すれば運用レポートや商品紹介書も全て日本語で確認できるので安心ですね。
商品データ
・初心者でも比較的簡単に外貨投資ができる
・プロの力を借り手軽に分散投資ができる
・為替差益で利益獲得ができる
・円安での資産価値損失に備えられる
(デメリット)
・円高による元本割れの可能性
・投資先国家の政治の混乱や災害のリスク
・プロに運用をお任せする委託コストがかかる
(ポイント)
・預け入れ時期を分散させる
・手数料を比較し低コストな商品へ投資する
(購入方法)
※最低投資額:数千円程から
・証券会社の窓口や公式サイト上にて購入
5.FX
FX(外国為替証拠金取引)とは2国間の通貨のレートの差を利用して利益を出す投資方法。
また手数料も外貨貯金に比べても非常に安く、ドル円取引で1銭未満が一般的0.3銭~0.6銭くらいが一般的な相場となっています。
また、FXでは所持していない通貨を、売るところから取引を行うことが可能。つまり、下落相場でも積極的に利益を出しにいけます。
また相場の上昇局面でも、自己資金を担保に金融機関等に外貨を貸してもらい、大きなロットで取引する事ができる(レバレッジ)ので少ない資金で大きな利益を狙いに行くことも可能な点はFXならでは。
FXでは、日本と外国の金利差額であるスワップポイントで中長期的に利益を出す事も可能です。外貨を保有しているだけで毎日金利差は発生するので、比較的落ち着いた投資ができますよ。
FXは株式などのと比べ値動きが激しい通貨レートを利用、かつレバレッジをかけ自己資金以上の取引を行えることから、投資の際はリスク管理が成功の鍵。
目先の利益に目を晦ませ、大きなリスクを取り自己資金以上の損失を生まぬよう、運用を始める前には投資ルールを設定し、ルールに合わせてトレードを行なうことをおすすめします。
商品データ
・レバレッジをかけ自己資金以上のトレードを行える
・トレードの手腕により大きな利益を狙いにいける
・利益獲得方法が多種多様
・日本円で簡単に口座開設~トレードを始められる
(デメリット)
・他投資方法に比べ比較的ハイリスク
(ポイント)
・事前に投資ルールを設定しルールを守った運用を行なう
・レバレッジを掛けすぎない
(購入方法)
※最低投資額:数千円程から
・FX業者のサイトから口座開設を行なう
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【番外編】外国の金融商品へ直接投資(オフショア投資)
こちらは番外編。この海外オフショア投資というのは先ほど紹介した4つの商品とは異なり、日本の金融機関を通さず海外の投資商品に直接投資をすることを指します。
例えば、メキシコの不動産やシンガポールに本拠地を置く企業の海外債券を買うなんてことが代表的ですね。こういった海外の投資商品は日本の証券会社は扱っていないために、海外の金融機関を経由して買うことになります。
オフシェア投資は日本人の個人投資家にはあまり知られていませんが、海外投資においては海外投資信託よりも人気があります。
外国語が得意な方は、日本でも有名なHSBCといった香港などの現地の金融機関にに足を運べば口座を開設できます。海外の金融機関は国内のメガバンクと違い、本拠地を海外に持つので当然口座を開設すれば海外銘柄の売買に取り組めます。
外国債券や海外投資信託以外の海外投資商品も扱っているので、投資の幅もぐっと広がりますね。
また現地の金融機関でのやり取りがご自身では難しいという方は、「Independent Financial Adviser」の略称であるIFA経由で海外オフシェア商品を買う方法も存在します。
IFAとは独立した立場のファイナンシャルアドバイザーで、簡単に言うと証券会社や銀行といった法人に所属せずに個人投資家の投資のアドバイスをしたり、独自で仕入れた投資商品を販売する法人や個人のことを指します。
所在地を海外に置くIFAの場合、当然海外の投資銘柄を多数扱っています。もしあなたが海外の金融機関を使わずに海外投資に取り組むことを希望するのでしたらIFAのサポートを受けることを考えても良いでしょう。
税金の申告方法
そこでここからは海外投資に伴う税金制度について見ていきます。
まずあなたが日本国内に住んでいるのでしたら、海外投資の税率は他の投資商品と同様に20.315%です。海外の銀行に資産を預けて利益が発生した場合は、その利益額に20.315%の利回りが付きます。
それと同様に海外の投資信託で海外投資に取り組む場合、投資信託の売却益に関しても銀行の利益と同様に20.315%が課税対象利率となります。
ちなみに、ここで取り上げた銀行の利回りや投資信託で発生する利益は申告分離税ですが、利益の中には総合課税が該当するものもあり、具体的には海外債券や海外企業の株式で発生する配当益。
これらは税金処理において配当利益に該当する以上、総合課税の計算方法に基づいて20.315%の税金が課されます。
いずれにせよ、海外投資に伴う税金制度というのは国内の投資商品の税金制度と基本的には変わらないという点は押さえておきたいですね。
二重課税への対処法
先ほど海外の投資商品に課される税率は国内の投資商品の税率と変わらないといったと思います。この前提があった上での話なのですが、海外投資商品の中には利益が確定した時点で税金が差し引かれる商品があります。
この場合、海外の税金もかかって、日本の税金もかかるので、事実上の二重課税になってしまいます。海外投資で絶対に避けたい二重課税から逃れるためには「外国税額控除」の利用が欠かせません。
外国税額控除とは何かというと海外で課税された税額を年末調整において支払税額の対象から除外する制度です。
例えば20.315%の税率が国内で課される海外債券において、海外の銀行に8%の税率が課されたとします。この場合、既に8%の税率は課されたという計算上、適切な申請をすれば課税される税率というのは20.315%から8%を差し引いた12.315%になります。
この外国税額控除の利用方法はシンプルでして年末に実施する確定申告の際に提出することになる確定申告用紙の該当項目に該当数値を記載するだけ。これから外貨投資を行なう際はぜひ確認しておきたい制度ですね。
資産の一部を外貨で持つのも有
本記事では、外貨投資の方法をまとめて参りました。外貨、海外と聞くと一見難しそうに聞こえますが、方法を選べば手軽に取り組め、また結果的に資産を守ることにもつながります。
さらに、日本よりも高利回りな商品へ投資を続けることで、手元の資産を最大限効率的に資産運用することができるでしょう。
本サイトでは他にも投資に役立つ情報をまとめて紹介しております。他の記事も合わせてぜひご参考ください。
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