大切な遺産を安全に増やす投資術
突然相続が発生してまとまった遺産を手に入れた場合、多くの人は両親や親族などから受け継いだ大切な遺産は、定期預金などでしっかりと管理したいと考えるでしょう。
しかしこの低金利では、銀行に預けているだけではほとんど増えません。さらに今の日本では将来的に金利が上がるとも考えづらいですね。
大切な人から受け継いだせっかくの多額の遺産、将来のために上手に増やしていきたいと思うのは普通のこと。
そこで今回は、本サイトの管理人本郷マサシが、
この記事で学べること
・遺産にまつわる税金の申告方法
・遺産を投資に回すことについて
遺産という意味のあるお金をこれからどう運用していくべきか、一緒に考えていきましょう。
遺産をどう使うのか?
生命保険会社第一生命のアンケートによると、金融資産による相続は父親、母親を合わせて平均1500万円ほどだといいます。
引用:第一生命NEWS宅配便
もちろん家族構成や分配率に差はありますが、以前のように4000万円~5000万円といった大きな遺産ではないようです。
とはいえ、大きな資産になる相続金。悲しいことですが、両親が残してくれる最後の贈り物である資産をどうすべきかというのはしっかり考えなければいけません。
せっかく遺してくれる遺産を、ギャンブルのように勝率の低い投資先に運用し、全て失くしてしまうほど悲しい話はありません。そこで、まずは相続金の使い道について考えていきましょう。
遺産の使いみちを考える前に必要なこと
遺産の使いみちを考える前に必要なことは、「相続税の申告」や「残債の確認」、そして「資産運用計画を立てること」の3つになります。
1.税金の申告は確実に
ご存知の通り、遺産には相続税という税金がかかります。遺産に相続税がかかると分かった場合は申告をしなければなりません。申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内。
相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
引用:国税庁HP No.4205 相続税の申告と納税
提出期限日は土・日・祝日の場合はその日の翌日が期限になります。
相続税は申告納税方式なので、提出期限まで所轄の税務署に相続税の申告書を持参か郵送で提出します。仮に申告期限を過ぎてしまうと、ペナルティとして延滞税や無申告加算税などが加えられますので注意してください。
2.借金等が残っていないか確認
遺産を相続する場合は、遺産を遺してくれた人に借金などの債務がないかを確認する必要があります。
仮に借金などがある場合は、まずは遺産からまずは支払わなければなりませんね。
ちなみに、借金は相続税の額にも影響します。相続税には、債務控除という控除があります。条件に当てはまると、相続税の課税対象である遺産総額から借金分を差し引くことができ、相続税が少なくなる可能性があるのです。
控除可能な借金の種類は以下にまとめておきましたので、参考にしてみてください。
借金の種類・借入金
・医療費の未払い金
・故人の未払い所得税や
住民税、固定資産税など・墓地購入のための
未払い金
・保証債務
・団体信用生命保険ローン
・相続にかかった弁護士
控除可能 | 控除不可 |
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3.余ったお金と将来の生活を考え目標を立てる
遺産で税金や借金の返済などが終わったら、余った遺産で将来の生活を考えて目標をたてることが大切です。
仮に6000万円が手元に残った場合、何も目標を立てずに普通預金に置いていると10年間複利運用したとしても金利は6000円程しかつきません(年利0.001%で計算)。
資産運用の目標を立てて、仮に年利5%で10年間複利運用したとすると金利だけで3700万円もの利益が出ます。目標を立てるか立てないだけで、これだけの差がでるのです。
60歳で相続し、70歳で3700万円ものお金を得られたら同居のためのリフォーム費用や介護施設の費用などお金の心配が少しでも無くなるでしょう。
資産運用で増やす
先ほどのリストアップは実は現状の把握だけではなく、今後資産運用をする上で重要になる目標額も明確にしてくれるのです。例えばリストアップした結果、あと5000万円足りないとわかったならばそれすなわち資産運用をする際の目標額になりますね。
ネット上にある資産運用シミュレーターを使えば、5000万円の資産を作るまでに年利がどれくらいで、そのくらいの期間が必要なのかがすぐにわかります。
引用:野村証券「みらい電卓」
上記ですと、800万円の元手を5000万円にするためには、年利10%で20年間運用すれば達成できますね。
相続金の資産運用をリスクを抑えて安全に行う方法
大切に使いたい相続金を資産運用する場合、大きな損を出さないためにもリスクを最小限に抑えて安全に行うべきです。
投資のリスクを減らす方法としてここでは「分散投資」と「プロに任せる」の2つがありますので、その2つの方法についてお話させて頂きます。
1.分散投資を心掛ける
リスクを抑える方法としてまず挙がるのが「分散投資」になります。分散投資は資金を複数の投資先に分けて投資をし、1つが値下がりしても他のものでカバーする相殺効果を利用したものです。
この相殺効果で、結果的に投資全体のリスクを下げることができます。
2.経験がない場合はプロに任せる
投資の経験がない人の場合は、思い切ってプロに任せる方がリスクを抑えられます。プロに任せるといっても、誰でも購入可能な投資信託から投資のプロに任せて大きなリターンを得られるヘッジファンドまで様々。
運用を委託する際は、自分の投資目標にあったプロを選ぶことが大切でしょう。
おすすめ金融商品一覧
さて、続いては遺産の運用をプロにお任せするという点に焦点を当てて見ていきます。
投資をプロにお任せできる、投資信託とヘッジファンド。どちらも投資のプロの力を借りて、初心者でも比較的上手に運用していくことが出来ます。
早速、この2つの金融商品について詳しく解説していきます。
投資信託
投資信託は、多数の投資家から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が運用する金融商品。株式や債券など様々な投資先に分散させて運用するため、分散投資効果でリスクを抑えることができます。
運用で出た利益は、投資家が購入した口数に応じて還元される仕組みになります。
また、投資信託は銀行や証券会社などで1万円程度から購入することができます。投資信託が、遺産の運用におすすめの理由は、分散投資でリスクを抑えながら運用できることや完全にプロに運用を任せられることです。
銘柄の中でも格付けの高い債券で運用している銘柄などは、ローリスク・ローリターンでの運用も可能なため大切な遺産を大事に運用したい人におすすめです。
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ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、専門性の高い投資プロ集団によって運用されるファンドのことです。通常の投資信託の運用では、運用制限などが設定されているためレバレッジなどリスクの大きな投資法は使えません。
対してヘッジファンドは相場環境の良し悪しに関係なく利益を追求します。空売りや先物取引など多様な投資手法を駆使し、リスクを取っても積極的に利益を求めるためヘッジファンドでは年利10%以上も珍しくありません。
最低投資金が数百万円から数千万円と高額で、誰でも購入できるわけではなく限られた投資家だけが運用を始められます。
完全にプロに任せたい人や、多額の遺産金で将来のためのお金を積極的に得たい人におすすめです。
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安定した運用を心がける
今回は遺産を運用していく上で、知っておきたいポイントやおすすめの投資方法について見てきました。遺産ともなると大きな額なので、極力短期ではなく、長期的に安定した利益を求めて投資をしていきましょう。
また、まとまった資産を運用するのは気がひけるという方は、今回紹介した資産運用をプロにお任せできる方法も合わせて検討し運用を行なうことで、ご自身の両親がしてくださったように次の世代や社会に資産を残すことも出来るでしょう。