ランキング上位の投資信託は本当に運用成績が良いの?

投資信託の運用成績

検討中であったり現在保有している投資信託の運用成績って気になりますよね。レポートを見ても専門用語が多くて、どこを見ればわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、投資信託のレポートで見るべきポイント3点と、類似する投資信託や指標と比べて運用成績の善し悪しを判断する方法について解説致します。
ではさっそく、運用成績を確認するのに必要なポイントを解説していきます。

編集部員
さくら
投資信託は情報公開が積極的にされており、ネット上で簡単に知りたい情報を得られます。情報の探し方・読み取り方もコツを掴めば、難しくないですよ。

この記事の要点

・運用成績は月次報告書に詰まっている
・類似する投資信託は手数料が低いものを選ぶ
・ランキング上位の投資信託は今後も運用成績が良いとは限らない

運用成績を確認する3つのポイント

運用成績を簡単にチェックできるのが、以下の3点です。

この記事も合わせて読んでおきたい

  1. ベンチマークとの差
  2. トータルリターン
  3. シャープレシオ

1、ベンチマークとの差

ベンチマークとは、運用の目標となる指標のことを指します。たとえば日本株式を投資対象とした投資信託では、日経平均株価やTOPIXなどの指標、アメリカ市場に上場している株式を投資対象とした投資信託ではMSCI米国インデックスをベンチマークとして使用することが多いでしょう。

その投資信託の騰落率(一定の期間でどれだけ上下したか)と、ベンチマークの騰落率を比較すれば、ベンチマークよりも良い運用成績が出せたのか、あるいはベンチマークを下回る運用成績であったのかが一目瞭然です。インデックス投資信託と言われるものは、この指標と連動するような運用成績を目指しており、アクティブ投資信託はこの指標を上回る運用成績を狙っています。

 

アクティブ投資信託

 

短すぎる期間での運用成績比較ではあまり参考にならないので、最低1年以上のまとまった期間で比較できると良いでしょう。

2、トータルリターン

一定の期間で投資信託の基準価額がどのくらい上下したかを表すものです。騰落率と混同されやすいですが、トータルリターンではかかった手数料や受け取った分配金額も含めて計算されるため、最近はトータルリターンを重視して選ぶ傾向にあります。

3、シャープレシオ

シャープレシオは、リスクに対して運用成績がどの程度出せたかを表す数値です。この数値が高ければ高いほど、リスクに見合った運用成績を出せているということを表します。シャープレシオが高いものは、リスクに対して運用成績が良い投資信託であると言えます。

 

では実際に運用されている投資信託を使って、運用成績の比較をしてみましょう。まずはインデックス投資信託から解説していきます。

インデックス型

インデックス投資信託はベンチマークと同じような動き(運用成績)になることが目標です。今回はインデックス投資信託の中でもバランス型で比べてみます。バランス型というのは、株式に限らず債券や金などの商品も組み合わせた投資信託のことを指します。

運用成績

今回、運用成績を比べるのは次の2つの投資信託です。

基準日:2019年10月24日

比較項目 ニッセイ・インデックスバランスF(4資産均等) eMAXISバランス(4資産均等型)
使用しているベンチマーク TOPIX(配当込み)、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)、NOMURA-BPI総合、FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)を25%ずつ組み合わせた合成指数 左に同じ
騰落率 21.0% 20.3%
トータルリターン 6.55% 6.37%
シャープレシオ 0.90 0.87

 

運用成績はほとんど大差がないと言えます。今回比較した投資信託ではそれぞれ同じベンチマークを設定しているので、必然的に似たり寄ったりな組入れ資産になるため、運用成績も類似します。微小の利回りの差はコストに左右されることが多いです。

類似する投資信託の運用成績は手数料の低い方に軍配が上がりやすい

どちらの投資信託も販売手数料は0円ですが、信託報酬(管理にかかるコスト)等に差があります。インデックスタイプの投資信託では、販売手数料ゼロは前提、なおかつ信託報酬がなるべく安いものを選んだほうがよりよい運用成績となるでしょう。
※2019年10月より消費税の増税に伴い、投資信託の手数料負担も増えました。

 

ファンドの手数料

投資信託 信託報酬等
ニッセイ・インデックスバランスF(4資産均等) 0.15%
eMAXISバランス(4資産均等型) 0.55%

 

では、次にアクティブ型投資信託の運用成績についても確認していきます。

アクティブ型

アクティブ型では、同じテーマの投資信託であっても中身の資産が異なることがほとんどです。ベンチマークを設けている投資信託もありますが、特に設けず「損をしない」「利益を出す」というような運用成績の目標を設定しているものも存在します。

 

今回はシュローダー・インベストメント・マネジメントが組成しているシュローダー 厳選グロース・ジャパンの運用成績を見てみましょう。

アクティブ型投資信託は中身の運用成績が命

この投資信託の中身は主に日本株です。日本株の中でも中長期で高い利益成長を実現できると期待される日本企業の株式(グロース株)にのみ投資しています。競争力のある企業や、長期的に成長する余力がある企業を独自で選択し、特徴のあるグロース株を30~40株程度厳選しています。

 

シュローダー
(引用)
・シュローダー「厳選グロース・ジャパン マンスリーレポート2019年9月末」(外部リンク)

 

日本株を投資対象としている投資信託は数多くありますが、テーマをグロース株と絞り、更にそこからふるいにかけて集中投資するファンドというと限られます。

月次報告書から過去の運用成績を確認

ではさっそく、2019年9月末に作成された月次報告書(マンスリーレポート)を見ていきましょう。

 

厳選グロース・ジャパン
(引用)
・シュローダー「厳選グロース・ジャパン マンスリーレポート2019年9月末」(外部リンク)

 

手数料の記載が1ページ目に来ているのは珍しいですが、わかりやすくていいですね。信託報酬(管理にかかるコスト)は年間に1.595%です。その他、買付時には3.30%を上限とした購入手数料がかかります。(販売会社によって手数料率は異なる)組入れ銘柄は30~40程度となっていましたが、2019年9月末時点では39銘柄に投資しています。

続けて、騰落率も見てみましょう。

 

騰落率
(引用)
・シュローダー「厳選グロース・ジャパン マンスリーレポート2019年9月末」(外部リンク)

 

購入手数料が販売会社によって異なるためトータルリターンではありませんが、信託報酬を考慮した上での運用成績となっています。設定来では182.59%UPという好成績を誇っていますが、ここ1年では-10.29%と少々落ち込んでいたみたいですね。9月の全体的な相場の動きや、起因した出来事についての解説です。

 

厳選グロース・ジャパン マンスリーレポート

 

少々難しい言葉が続きますが、簡単に説明すると2019年9月期はアメリカVS中国の貿易合戦や香港デモの終息期待、イギリスがEUから離脱する可能性が少し低くなったことで、投資家達の心理が改善して相場は全体的に上昇したということです。この投資信託への影響についても触れています。

 

厳選グロース・ジャパン マンスリーレポート

 

組入れられている銘柄について詳しく言及しています。株価が上昇し、期待される株価に近づいたものは売却して利益をだし、さらなる上昇が期待できる銘柄については買い増しました。ひとつひとつの銘柄の動きを追うのは難しいですが、プロが解説してくれているので大変わかりやすくまとまっていることがわかると思います。

投資信託の月次報告書(マンスリーレポート)には運用成績はもちろんのこと、世界情勢等たくさんの情報を知ることが出来るので時間があれば目を通すことをおすすめします。月次報告書では触れていませんでしたが、TOPIXとの比較もしてみましょう。

 

青線:厳選グロース・ジャパンの基準価額2019年9月末までの3年間推移
赤線:TOPIXの2019年9月末までの3年間推移

TOPIXとの比較
(引用)
・Yahoo!ファイナンス「シュローダー 厳選グロース・ジャパン」(外部リンク)

 

2019年9月末までの3年でTOPIXの成績と比較すると一目瞭然ですね。運用成績は圧倒的にシュローダーが勝っています。

(参考リンク)
・「シュローダー・インベストメント・マネジメント ホームページ」(外部リンク)

 

余談になりますが、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社はイギリス生まれの資産運用会社で、1974年から日本でも営業を開始しており、外資系では老舗運用会社のひとつになります。さて、既に投資信託を保有している人なら、月次報告書を参考に運用成績を確認すれば良さそうですが、今から投資信託の購入を検討している人は、どのような方法で探すのがベストでしょうか?運用成績から見る探し方を次の章でご説明致します。

ランキングで簡単に投資信託の比較ができるサイト

証券会社のホームページやアプリでは、その証券会社で取り扱いのある投資信託だけしか情報を載せていなかったりと、比較するには何かと不便が生じます。定番ではありますが、以下の2サイトがおすすめです。

投資信託比較おすすめサイト

  1. モーニングスター
  2. Yahoo!ファイナンス 投資信託

1つ目、投資信託と言えばこちらのサイト。

1、モーニングスター

投資信託の情報を調べる時にかかせないのがこのモーニングスターです。どの投資信託が今注目を浴びているのか、ランキングで簡単に確認ができるのと、自分にあった投資信託を探すことが出来ます。さらに目星をつけた投資信託と指標、もしくは類似している投資信託同士で運用成績の比較をすることも可能です。

 

モーニングスター

 

左下の「かんたんファンド検索」もしくは「詳細条件でファンドを検索」からご自身の条件にあった投資信託を探すことができます。大変便利なのでおすすめです。

(参考リンク)
・「モーニングスターHP」(外部リンク)

2、Yahoo!ファイナンス 投資信託

Yahoo!ファイナンスはモーニングスターからの情報を引っ張ってきている部分もありますが、チャート等が見やすく整理されておりおすすめです。運用成績はもちろんのこと、様々な条件、注目のテーマからも投資信託を検索することが出来ます。

 

モーニングスター

(参考リンク)
・「Yahoo!ファイナンス 投資信託」(外部リンク)

 

ランキングを使えば簡単に投資信託を探すことが可能です。しかし、簡単だからこそ注意すべきポイントがあります。

運用成績ランキングから投資信託を選ぶ際の注意点

注意すべきポイントは、以下の3点が挙げられます。

運用成績ランキングから投資信託を選ぶ際の注意点
  1. リスク許容度
  2. 特別な理由で運用成績が上がった場合
  3. 運用成績はあくまでも過去の実績である

1、リスク許容度

運用成績ランキングの上位にいるからと購入し、よくよく蓋を開けて見たらとんでもなくリスクの高い投資信託だったなんてことにならないよう、組入れられている商品はよく確認する必要があります。

外国為替のリスクを負いたくないのにも関わらず外国通貨建ての投資信託を購入してしまったり、外国通貨建てでなくても中身が外国為替・外国株式市場の影響を受けるタイプですと実質的には外国為替のリスクを負うことになります。

 

モーニングスター

 

モーニングスターでは希望のリスク・リターンに合った投資信託を選ぶことができるのでおすすめです。

2、特別な理由で運用成績が上がった場合

投資信託の運用成績ランキング(リターン別)を見ると、上位に来ている投資信託がある一定のテーマに偏っていることがあります。例えば2019年10月25日の運用成績ランキング1位~10位では、10ファンド中8個がトルコ関連の投資信託となっています。(リラはトルコの通貨)

 

投資信託の運用成績ランキング

 

トルコといえば2018年8月アメリカによる経済制裁により空前絶後のリラ大暴落が発生し、合わせて関連する企業の株式も大きく売られました。このショックからだんだんトルコリラが巻き返しして来たために、相対的に見ればトルコに関する投資信託は2019年に入ってから利回りが上昇したと言うわけです。

このように特別な理由(決して良いイベントでは無い)で上昇し、運用成績ランキングの上位に君臨しているものには注意が必要です。

3、運用成績はあくまでも過去の実績である

運用成績が良いから、将来の成績も良いとは限りません。見通しはある程度つきますが、100%予定通りに行くかと言えばそうではない可能性のほうが高いからです。運用成績はあくまでも過去の運用実績であり、将来を約束するものではありませんから、参考程度にとどめておくことをおすすめします。

まとめ

投資信託の運用成績の見方について解説致しました。運用成績ランキングから投資信託を選ぶのも、選択肢の1つとしては良いですが、あまりにも値動きの激しいものや、リスクの高いものは避けられると良いですね。投資信託を選ぶ際のひとつのポイントとして運用成績の見方が参考になったら幸いです。

編集部員
さくら
始めはうまく読み取れなくても数をこなしていけば、段々と慣れて自然と読めるようになってきます。まずは気になるファンドから、少しずつチェックできるとよいですね。

この記事も合わせて読んでおきたい

\誰かにも伝えたいと思ったらシェア/

Twitterでフォローしよう