投資(不労所得)の利益に伴う税率と税額の申告方法

投資税金

今回は、資産運用で発生する税金の税率と発生した利益の課税方法について紹介しようと思います。

資産運用に取り組む際に基本的に避けては通れないのが、税金の問題です。せっかく投資で得た利益が税金で減ってしまうのは悲しいですし、そもそも申告の仕方も複雑そうで気が引けるという方も多いはず。

実は資産運用で発生する税金額は、ちょっとの工夫で節約でき、また申告の手間までもを大きく省くことが出来ますよ。

今回のコンテンツでは、

・資産運用に伴う日本国内の税金制度の概要
・投資の確定申告で上手に節税する方法
・資産運用会社の設立で節税する方法

を、まとめて紹介します。

資産運用で発生する税金額を、最大で半額程度にまで減らす方法がわかるので今のあなたのお役に立てるはずです。

投資における税金申告方法の種類

株式投資、資産運用信託、債券、FX、不動産投資といろいろな資産運用があります。それと同様に資産運用の税金にもいくつか種類があり、どの税金制度を利用するかで資産運用で発生する税率が変わります。

そこで資産運用の世界でよく利用される、3種類の税金制度の特徴をまとめてみました。

課税法 課税金額の計算の特徴 税率
総合課税 給料所得などの他の所得と投資で得た所得を合算した金額に対し税金を計算。 5%~45%
(所得に応じて変動)
申告分離課税 給料所得など他の所得と分離して税金を計算。確定申告によって税金を納める。 20.315%
(原則固定)
源泉分離課税 給料所得など他の所得と分離して税金を計算。自分で確定申告をする必要なし。 原則20.315%
償還差益は18.378%

参照:
国税庁 所得税の税率
国税庁 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度
国税庁 源泉分離課税制度

ここで一覧にしましたように、資産運用の利益の税率はあなたがどの申告方法を利用するかで変わります。

ちなみにどの申告方法を利用することになるかは、資産運用に取り組む際の投資商品の種類と確定申告の場で申告することになる課税所得で決まります。

課税対象の所得 所得を得た手段 課税方法 税率
利子所得 預貯金や債券等 分離課税 一律20.315%
配当所得 株式の配当金や投資信託の分配金等 分離課税または総合課税 課税方法により異なる
不動産所得 不動産の家賃収入や売却益等 総合課税 15%~55%(給与所得など他の所得と合算して計算が必要)

これから投資を始める方は、ご自身が始めようとされている投資法がどのような税金の申告方法に当たるのかはしっかりと確認しておきたいですね。

確定申告が必要な人

確定申告すると言っても、投資を行なう全ての人に申告が求められるわけではありません。

以下、確定申告が求められる条件についてまとめてみました。ここで一覧にしたタイプの人が、確定申告が求められます。

確定申告が求められる条件

・特定口座源泉徴収なしの証券口座を開設したケース
・一般口座と呼ばれる証券口座で口座開設したケース
・在籍企業での年収が2000万円以上のサラリーマン
・資産運用の利益が年間総額で20万円以上あるケース

まず年収が2000万円以上のサラリーマンの場合は、給与所得者であっても、資産運用で利益が無くても確定申告を行わなければなりません。

年収が2,000万円以下であっても資産運用で発生する利益が20万円を超えた場合は、確定申告が必要になってきます。逆に言うと20万円を超えない場合は、資産運用で発生する利益には税金が課税されないのです。

ただし、源泉徴収なしの特定口座または一般口座を証券会社で開設した場合は話が変わります。この2種類のタイプの口座は自分で課税金額を計算して申告することになるのでおのずと確定申告が必要になります。

さてここまで、資産運用で発生した利益を申告しなくてはいけない条件についてまとめてみました。そこでここからは、資産運用で発生した利益を確定申告を通して申告するための手順について見てみます。

確定申告の手間を省く方法

さて、ここまでの内容を理解し投資の税金って面倒だなとお思いの方もいるでしょう。そんな方に是非読んでいただきたい、確定申告の手間を省く方法を2つ紹介します。

後者に関しては大きな節税効果にも期待できるので是非、これから投資を始める方は必見です。

源泉ありの特定口座を利用

証券会社で口座開設をするときは、特定口座と一般口座のどちらかを選択する必要があります。

投資家が簡単に税金の管理ができるように作られている点から、特定口座を選ばれる方が多いですが、そんな特定口座の中にも源泉あり、なしと2種類の口座が存在しています。

投資初心者の方におすすめなのがずばり、源泉ありの特定口座を利用すること。

源泉ありの特定口座を利用すれば、証券会社に税金の計算~納税までを行ってもらえ、納税の心配なく投資を行なうことが出来ます。

しかし、一つの口座で損失が出た場合などは、書くて申告を刷ることで他の口座の損益と通算することができるため、場合によっては確定申告をした方がお得なこともある点は要注意です。

NISA口座を利用

NISA(ニーサ)という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

NISAとは「少額資産運用非課税制度」のことで、資産運用をする個人投資家をサポートする制度になっています。NISAの利用は資産運用の税金対策として、非常に優秀な制度になっています。

NISA口座で資産運用を行うと、年間120万円を上限に資産運用で発生する利益が税金の対象外になります。例えば現在、通常の口座で資産運用を行い、100万円の利益があったとしたら20万3150円もの税金を取られてしまいます。

これがNISA口座ならば非課税、つまり支払い税額が0円になるのです。株の配当金、資産運用信託の分配金に関しても同じことになります。資産運用をするにあたって、非常にありがたい制度ですよね。

ちなみに非課税期間が資産運用を始めた年を含め、5年間(最大600万円)も利用できます。つまり、600万円の元手を税金がかからずに資産運用できることになります。

資産運用の結果発生する税金の額や納税の手間を抑えたいのでしたら、NISAを活用しない手はないですよね。

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確定申告の7つの手順

確定申告の手順は7つのステップに分かれているので、その7つのステップを一覧にしてみました。

  1. 確定申告に必要な書類を準備する
  2. 申告書を準備する
  3. 付表と計算書などを準備する
  4. 申告書を作成する
  5. 提出する書類を確認する
  6. 申告を提出する
  7. 納税又は還付を受ける

この資産運用における税金申告のためのステップの中でまずやることは、税金の申告のために必要な申告書を手に入れることです。

この申告書というのは国税庁のHPからダウンロードが行え、申告期間は毎年2月16日~3月15日の30日間になっています。ちなみに申告方法は①郵送で所轄の税務署に送付する②所轄の税務署に書類を持参する③e-taxで申告する、の3つの中から選ぶことができます。

申告書類を手に入れ、税金の対象になる資産運用の利益額を記載して税務署に申告をする。この一連の流れをきちんと行えば、資産運用で発生する利益の税金申告はばっちり。

損失が発生したら必ず損失を申告する

株やFXで損失が発生した場合に確定申告をすれば、翌年以降の資産運用で発生する利益から申告した損失額を控除することができます。

この損失による控除は最長で3年間まで遡って行えます。

課税対象年度 2019年 2020年
年間運用成績 -300万円 400万円
前年からの損失 なし -300万円
繰越損失額 -300万円 0万円
相殺後の課税額 0円 100万円

このように2019年に資産運用で300万円のマイナスが発生した時に繰り越し控除を利用すると、その300万円は翌年度以降に引き継がれます。

結果として翌年度である2020年度に400万円の利益が出た場合、課税対象金額は100万円にまで減額されるのです。

400万円に20.315%の税率が課税されるケースと100万円に20.315%の税率が課税されるケースでは、発生する税金額が大きく変わります。

どの程度変わるかというと「400万円×0.20315-100万円×0.20315」の計算式で出てくるだいたい60万円です。

60万円もの税額の差はなかなか大きいですよね。とても便利な損失額の控除を資産運用で利用するためには、資産運用で損失が発生した年度に毎年確定申告を行う必要があります。

ちなみに、資産運用で発生した損失を申告する際に必要なものはこちらとなっております。

必要書類

  1. 印鑑
  2. 給与所得などの源泉徴収票
  3. 個人番号及び本人確認書類
  4. 特定口座年間取引報告書
  5. 年間損益計算書

総合課税と分離課税を使い分ける

資産運用で発生する税金の対策方法で欠かせないものの1つに、総合課税と分離課税の使い分けがあります。

ここで、それぞれの税金の申告方法における税率の違いについてまとめてみました。

課税申告方法 税率
総合課税 所得に応じて変わる
分離課税 一律で20.315%

ここでまとめてみましたように、分離課税の税率は一律で20.315%である反面、総合課税の場合は所得に応じて税金額が変わります。

そこで、課税所得に応じてどの程度税金額が変わるかについてまとめてみました。

税金がかかる所得金額 税率
195万円以下 5%
控除額は0円
195万円~330万円以下 10%
控除額は97,500円
330万円~695万円 20%
控除額は427,500円
695万円~900万円 23%
控除額は636,000円
900万円~1,800万円 33%
控除額は1,536,000円
1,800万円~4000万円 40%
控除額は2,796,000円
4000万円以上 45%
控除額は4,796,000円

日本の税金制度は、超累進課税を採用しているため、年収が高い程税金が多くなります。

例えば、年収1000万円の人が総合課税を選択すると、資産運用で得た利益に33%もの税金がかかってくると言うことです。

その一方で資産運用で発生した利益の申告に分離課税を選択した場合、利益額にかかわらず20.315%で済みます。

つまり課税所得が高い人にとっては分離課税を選択する方が税金対策になり、所得の低い人にとっては総合課税を利用したほうがお得なのです。

投資で得られる利益額が上がってきたら、是非納税方法についても税理士の助けを借りるなりして時間をかけて検討していきたいですね。

個人が資産運用会社を設立

資産運用に取り組んでいるサラリーマンの方の中で資産運用の結果発生する税金がかなりの金額になる場合、資産運用のための会社を設立した方がお得なケースがあります。

具体的には、個人で行う投資や事業での所得が1,000万円を超えた場合は、法人化した方が節税面で有利になると言われています。

資産運用で会社設立をすると言っても、みんながみんな会社設立をすれば税制面でお得になるかと言われたらそうではありません。

個人投資での会社設立の是非を考えるために、まず以下日本の所得税の税率表を見てみましょう。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~1,949,000円 5% 0円
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円~8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円~17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円~ 45% 4,796,000円

引用:国税庁 No.2260 所得税の税率

株式投資やFXなど給料所得とは別で課税がされる「分離課税」の投資方法の場合、個人で得た投資の利益にかかる税率は固定で20%(所得税15%、住民税5%、復興税除く)。こちらは固定の税率ですので、投資でいくら稼いでも税率は変わりません。

よって、現在分離課税の金融商品で大金を稼ぐ人はむしろ法人化せずに個人で所得税率を最低の15%に抑えておくのが良いでしょう。

分離課税

・株式の売買益
・ETF
・社債
・商品先物
・不動産の売買益

総合課税

・金現物
・仮想通貨
・不動産の家賃収入

反対に法人化をしたほうが税制上お得な方は、給料所得での収入が多くかつ給料所得などのその他の所得と合算した金額に課税される、総合課税の対象である仮想通貨や不動産の家賃収入での収益が大きい方

高収入なサラリーマン大家さんや、仮想通貨トレーダーの方は法人化をすることで以下のようなメリットを得られますの一度税理士や司法書士に相談してみると良いでしょう。

投資関連の税金制度のまとめ

このコンテンツでは、ここまで資産運用に伴う税金制度と課税方法ごとの税率の違いについてまとめてみました。

ここまで見てきましたように、資産運用で発生する利益額は変わらずとも税金の総額は確定申告やNISAの利用に応じて大きく変わります。

税金対策次第で手元に残る利益額が変わる以上、資産運用に取り組むのでしたら税金対策には銘柄選びと同じくらい力を入れたいですね。

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