投資の基本は資産分散から!投資ポートフォリオの作り方を学ぼう

ポートフォリオ

資産運用は分散投資が基本です。

資産を複数の投資先へ投資することで、1つの投資先で下落が起きても他の投資先で出せた利益で相殺することができ、結果的に資産を守ることに繋がります。

資産分散するといっても闇雲に分散すればよいというわけでなく、実際には各金融商品のリスクとリターンを考慮し、ご自身の投資ポリシーや目標に合わせ上手に組み合わせて行く必要があります。

そこで今回、筆者が

この記事で学べること

・資産分散とはなにか?そのメリット、デメリット
・投資ポートフォリオの考え方とその作成方法
・参考にしたい!大手運用会社の投資ポートフォリオ

までを、まとめて紹介します。

これから、投資ポートフォリオを作成し資産分散をしたいとお考えの方は必見です。

分散投資とは?そのメリット・デメリット

まずはじめに、分散投資を用いた資産運用がもたらす効果やリスクから見ていきましょう。分散投資は、簡単かつ、資産形成に絶大な効果をもたらしてくれます。

メリット1.リスクとなる要因をあらかじめ分散

たとえば株式会社Aの株式を1000株持っていた場合と、株式会社Aをの株式を100株と、その他複数の会社で残りの900株を保有していた場合、A社がつぶれてしまったときに受ける影響は前者の方が大きいですよね。

保有している株
太郎さん A社のみ1000株
花子さん A社100株 B社100株 C社100株...

太郎さんはA社がつぶれて株式が紙切れになった場合、投資資金はゼロになります。

しかし花子さんはA社100株分はなくなっても、他の株式を保有していたために影響は限定的です。このように分散投資をしておくことで、あらかじめ1つの資産に対するリスクを軽減することが可能です。

メリット2.大きな値動きを抑制

互いに同じような動きをする商品同士を組み合わせたところで値動きは同じようになり、分散投資の効果はあまり見られません。

しかし、異なる値動きをする傾向にある商品同士を組み合わせることで大きな値動きを抑制させ、安定的な資産運用を図ることが可能です。

一例

・株式x債券
・株式x金

商品同士を組み合わせる割合にもよりますが、2つの商品を50%+50%で分散投資した場合、互いに引っ張り合う動きになるので分散投資したものの値動きは限定的になります。

デメリット1.大きなリターンを狙うのには向かない

分散投資することによって、資産の減りを予防すると同時に、資産の増加についてもブレーキをかけてしまいます。

株式投資をしてとある銘柄が大きく上昇した場合、その株式に資産の50%を投資していた人と、10%投資していた人では入る利益が異なりますよね。

当たった場合は集中投資の方が利益率が高くなるので、分散投資をしたことにより資産運用効果が半減します。

デメリット2.管理が面倒

分散投資=保有する商品が多くなりますから、その分管理に手間がかかります。

日中働いている方は、相場を見る時間等もほとんど無いでしょうから特に難しく、売却すべきタイミングを逃すこともあるでしょう。そうなってくると、資産運用自体が億劫になってしまう可能性があります。

分散投資の方法

分散投資と言うと、複数の銘柄に分散して投資するイメージが強いですが実は投資における資産分散の方法は複数存在します。

そこで今回は一例として、3つの資産分散方法を紹介していきます。

商品の分散

分散投資と言って思いつくのが、株や債券、金など色々な商品に分けて資産運用することではないでしょうか?

それぞれの資産は、同じような動きをするわけではなく、経済動向などによって異なる動きをすることが多いと言われています。

例えば株式相場が上がるときには債券の価格が下がったりしますよね。このように分散投資する商品を複数にすることで、異なる資産同士の値動きの違いを利用し、価格変動のリスクを軽減した資産運用が可能です。

全体の資産に対して、資産ごとの分散投資の割合をかえることで、資産運用の利回りやリスクを上下させることができます。

地域の分散

商品は日本にだけ存在するわけではありませんから、地域ごとに分散投資させて資産運用することも容易です。日本人が円を含む日本の資産を用いて資産運用をするのは当たり前と言えるでしょう。

貿易依存度が高かったり、関係性が濃い国同士だと同じような動きをすることもありますが、そうではない国同士を組み合わせて投資することで、下がった国の資産を保有していたとしてもカバーし合うことができます。

国内資産をメインにしつつ、海外資産も一緒に持ち合わせることでカバーし合いながら資産運用をすることが可能です。

時間の分散

商品や地域における分散投資の他に、投資のタイミングをずらすことで時間も分散させることが可能です。

それぞれの資産はその時の状況によって様々な値動きをするため、投資したタイミングが悪ければその後下がり続けることも十分に起こり得ます。これを避けるために行うのが時間の分散です。

一度に大量買いするのではなく、複数のタイミングで少量ずつ買い付けます。これを行うことで、取得価格の平均化が可能で、高いところで買ってしまうというリスクを避けることができます。

この効果をドルコスト平均法とも呼びますが、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?大きな額の損失を避けるためによく使われる分散投資の方法です。

投資ポートフォリオの作成方法

さて、ここからが本題。自己資産を上手に分散投資するために、投資ポートフォリオの作成を行い方法を説明していきます。

金融商品は数多く存在しますが、代表的な資産の分散先とは以下の4つが挙げられます。まずは、以下4つの金融商品をメインにご自身の取れるリスクと・期待リターンに合わせ商品を組み合わせていきましょう。

種類 収益率のイメージ
国内株 年間3~6%
国内債券 年間1~3%
海外株 年間8~10%
海外債券 年間3~5%

 

具体的に海外株>国内株>海外債券>国内債券の順に期待リターンが高く、また同時にリスク度合いも上がります。リスクを取れる方は海外株への投資比重を高めに設定し、リスクが取れない方は国内債券ベースでのポートフォリオ作成を行なうと良いでしょう。

さらに資金に余裕がある方は、保守的な運用をするのか、アクティブな運用をするのかによって、金や不動産などの投資先を追加。さらに年齢や資金の性質によって随時比重を変えていくのが、資産運用のポートフォリオ作成では一般的な考え方です。

リバランスを忘れずに

投資のポートフォリオの作成が完了し、配分通りに投資が完了。後は、利益が出るのを待つだけとはいかないのが投資です。

ポートフォリオを作成後は定期的に「リバランス(調整)」を行なうのが鉄則。投資を続けていれば、国内株は利益が出で資産が増え、海外株は損失が出て資産が減るなど資産の増減の状況により、当初定めた資産配分からは資産の分散割合が崩れてしまうことがあります。

可能であれば半年に1度は作成したポートフォリオと現在の資産割合を見比べ、増えすぎた資産は別の投資先へ移すなど1つの投資先に資産が比率が集まりすぎないよう調整できると良いですね。

投資ポートフォリオ一例

ご自身の期待リスクやリターンに合わせて金融商品を組み合わせると言っても、実際に作業を行ってみるとこれで良いのかな?と悩んでしまう方も多いはず。

そこで今回、投資初心者向けにリスク・リターン別で投資ポートフォリオの一例を作成しましたので是非参考にどうぞ。

積極運用ポートフォリオ

積極運用ポートフォリオ

このタイプのポートフォリオは、ポートフォリオの中に株式を多く含めてハイリターンを目指す資産運用法です。

20代、30代の独身者であれば、株式の割合を高くして攻めの資産運用を心がけても良いでしょう。40代や50代などあまりリスクが取れない世代の場合、同じ株式でも高配当銘柄で長期運用に適した株式で資産運用に取り組むのが良いですね。

また、投資初心者の方であれば全ての資産をハイリスクなポートフォリオで自己運用するのは危険。ヘッジファンドなどで資産の一部はプロに運用おまかせし、自己運用x専門家の運用で効率よく資産をまわしていくのがおすすめですよ。

安定・成長型ポートフォリオ

安定・成長型ポートフォリオ

このポートフォリオはバランス重視で資産運用したい方向けです。

いわゆる中リスク・中リターン型の資産運用です。もう少しリターンが欲しい場合は債券でも高金利通貨のものや株式でも値上がり益を目指す銘柄を組み入れても良いでしょう。

資産の全てを自己運用するのは怖いという方は、一部をヘッジファンドや投資信託などに逃しプロの力を借りることを考えても良いでしょう。

安定型ポートフォリオ

安定型ポートフォリオ

このポートフォリオは債券を中心にした資産運用です。

国内株式でも東証1部に限定する、高格付けの債券などを利用すると更に安定的な運用ができます。株や債券だけに囚われず、FXや金投資、不動産投資なども組み入れることができます。

債券だけでの投資となると大きなリターンは狙いにくいのが事実。ヘッジファンドなどで資産の半分をプロにおまかせすることで、攻めの運用はプロにおまかせし守りの運用は自身で行うと分業制で手数料を最小限に抑え効率的に資産運用できるでしょう。

ハーバード大学のポートフォリオは?

アメリカで一番優秀な大学と言われるハーバード大学は、フェイスブックの創設者であるマークザッカーバーグを輩出したり、世界中の秀才が集まってくるところで有名です。なんとここは傘下に資産運用会社を持っています。

その名も、Harvard Management Company(HMC)といい、教育と研究に貢献しているファンド会社になります。大学卒業生で社会的に成功した人は、このHMCに資金を提供します。

この世界の天才が集まる大学がもつファンドがどのようなポートフォリオで運用をしているのか、ここで一度参考にしてみましょう。

ハーバード大学ポートフォリオ

引用:Harvard Management Company(HMC)

日本語で訳しますとそれぞれ、株式18.9%、プライベートエクイティ(未公開企業投資、ベンチャー投資)23.0%、ヘッジファンド36.4%、不動産7.1%、天然資源2.6%、債券5.1%、その他の実質資産+個人債務1.3%、現金5.6%となっています。

当然ながらそれぞれの相関性は低く、ポートフォリオのボラティリティを低く抑えるように分散投資がされていますね。

ハーバード大学は上記のポートフォリオで2020年に年間7.3%のリターンを記録。有名大学の投資ポートフォリオということで、ぜひ今後の資産分散の参考にしたいところです。

参考にしたい国内大手運用会社のポートフォリオ

国内にも是非個人投資の参考にしたい国内大手運用会社のポートフォリオが存在します。

特に年金や保険積立金など減らせない資金の運用を行なう、保険会社や金積立金管理運用独立行政法人の運用ポートフォリオは大変に参考になります。

年金積立金管理運用独立行政法人

年金積立金管理運用独立行政法人
引用:年金積立金管理運用独立行政法人

年金積立金管理運用独立行政法人は、年金積立金などを運用する行政法人。上記は2020年の運用ポートフォリオで、約年3%程のリターンを出し続けています。

年3%というのは投資初心者がまず目標としたい、年間利回り。とにかく安全かつ、最低限の投資効果に期待したい方は是非年金積立金管理運用独立行政法人の投資ポートフォリオを参考にすると良いでしょう。

日本生命

引用:日本生命

こちらは保険積立金などを運用する、日本生命の運用ポートフォリオ。低金利の継続を見込み、海外不動産・インフラへの投資も積極的に行っておりリスクとリターンのバランスが良いポートフォリオとなっています。

為替の影響で近年は減益となってしまっていますが、安定第一という方は資産額に対する債券比率の部分などは大いに参考にできるでしょう。

プロの力を借りることも考える

ここまで、投資ポートフォリオの作成方法と参考例をまとめてきました。

上記内容を理解した上で、自分で投資ポートフォリオを作成するのは大変という方の為に3つのアイデアを出しましょう。

バランス型投資信託の利用

バランス型の投資信託は、株式や不動産などの複数の資産を組み合わせたポートフォリオに投資ができる投資信託。

金融商品を一つ購入するだけで複数資産へ分散投資でき、また運用を続けていくうちに分散割合が崩れてしまっても投資のプロがリバランス(調整)してくれるので、ご自身で各分散先の値動きを確認し売買を繰り替えるなんて言う必要もなく、購入するだけで上手に資産分散できるのは嬉しいですね。

ロボアドバイザーの利用

ロボアドバイザーとは、ウェブ上にて「希望の運用額は?」などの簡単な説明に答えるだけでAI(ロボット)が適切な運用法を提案。入金を行えばその後の運用までもをAIに丸々お任せできる投資法です。

また、ロボアドバイザーの場合はポートフォリオ作成までは無料で利用可能な場合が多く、ポートフォリオの作成までロボアドバイザを利用し、出来たポートフォリオを参考にご自身でされても良いでしょう。

ヘッジファンドの利用

ヘッジファンドとはまとまった資産の運用を投資のプロに丸々お任せできる金融商品。運用額に対し固定で手数料が発生する投資信託やロボアドバイザーとは異なり、メインの手数料は成功報酬で運用益に対し発生する点で無駄がないですね。

また、投資家の募集人数に限りがあることから、比較的自由な運用が認められており、利回りは10%を超え比較的利回りがよく、安全運用ができるということで富裕層向けの資産運用法として支持されています。

プロの力も借り資産分散を行なう

今回は、投資におけるポートフォリオの作成方法~参考にしたいプロのポートフォリオ。また、ポートフォリオの作成から実際の運用までを、第三者に丸々お任せする方法までをまとめて参りました。

ポートフォリオを作成するには各金融商品の特性やリスク、期待リターンなどを細かく理解する必要があり中々ハードルが高いもの。

今回紹介した3つの資産運用をプロにおまかせする方法も含め、無理なく運用を続けていけると良いでしょう。

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