お得な非課税制度!NISAとiDeCoの違いを完全網羅
最近話題のお得な投資制度NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)。
口座内での投資で得た利益に対してかかる税金が非課税になり、投資コストを抑えて投資ができるということで多くの投資者が利用している非課税制度。
とは言っても、横文字だらけで各制度の概要がわからない。また、NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)のどちらを利用したら良いかなど、特に投資初心者の方であれば疑問に思われることも多いはず。
そこで今回筆者が、
この記事で学べること
・NISA、iDeCoを利用するメリットとデメリット
・NISAとiDeCoのどちらを利用するべきか
まで、まとめて紹介します。
これから、NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)を活用し、非課税の恩恵を受けながら資産運用を行いたいとお考えの方は必見です。
iDeCoとNISAの概要
ここでは、iDeCoとNISAについて深く知るために2つの非課税制度を比較しながら見ていきます。
まずはじめに、2つの非課税制度を表にまとめてみました。
比較項目 | 一般NISA | ジュニアNISA | 一般NISA | iDeCo |
---|---|---|---|---|
対象年齢 | 満20歳以上 | 満20歳以上 | 0歳〜19歳 | 満20歳以上 |
最低投資額 | 月1000円 | 月1000円 | 月1000円 | 月5000円 |
年非課税枠 | 年間120万 | 年間40万 | 年間50万 | 年14.4万~81.6万 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 | 60歳まで |
非課税上限 | 累計600万 | 累計800万 | 累計400万 | ‐ |
解約可能時期 | いつでも | いつでも | いつでも | 60歳以降 |
非課税対象 | ・運用益 ・配当金 |
・運用益 ・配当金 |
・運用益 ・配当金 |
・運用益 ・配当金 ・住民税 ・所得税 |
いかがでしょうか?まず前提として覚えておきたいのが、一般NISAと積立NISAは併用できません。よって、併用をするのであれば一般NISAまたはつみたてNISAとiDeCoのみの併用が可能です。
早速、上の表から特に気になる項目をかいつまんで見ていきます。
知っておきたい
2024年からは、一般NISAが新NISAに移行。新NISAは2階建ての構造になり、原則20万円までの積立投資が必須となります。
引用:日本経済新聞 NISA投資、2階建てに 低リスク商品に20万円枠
個別株へ投資できる枠は102万円これまでよりも少なくなるので、NISAを使って個別株へ投資したい方は早めに現行NISAを始めたいところです。
非課税対象
比較項目 | 一般NISA | ジュニアNISA | 一般NISA | iDeCo |
---|---|---|---|---|
非課税対象 | ・運用益 ・配当金 |
・運用益 ・配当金 |
・運用益 ・配当金 |
・運用益 ・配当金 ・住民税 ・所得税 |
ここでまとめましたように、非課税枠においては圧倒的にiDeCoの方が優れているといえるでしょう。
その理由はiDeCoと違い、NISAの免税対象なるのは運用益と配当という投資商品で発生した利益に限られているからです。
これは投資した金額自体が住民税や所得税の控除対象になるiDeCoとは大きく異なりますね。
年非課税枠
比較項目 | 一般NISA | ジュニアNISA | 一般NISA | iDeCo |
---|---|---|---|---|
年非課税枠 | 年間120万 | 年間40万 | 年間50万 | 14.4万~81.6万 |
iDeCoの非課税枠というのは14.4万円~81.6万円と大きな幅があることがわかります。
どうしてこのような幅があるかというとiDeCoの非課税枠は利用者の職業や属性で異なるからです。
このことをご理解頂くために、iDeCoの非課税枠が利用者の属性ごとにどのように変わるのかをまとめてみました。
利用者の属性 | 金額 |
---|---|
自営業者 | 6.8万円 |
企業年金がないサラリーマン | 2.3万円 |
企業型DC加入のサラリーマン | 2万円 |
専業主夫及び主婦 | 2.3万円 |
確定給付企業年金加入のサラリーマン | 1.2万円 |
公務員 | 1.2万円 |
ここでまとめましたように、月額の非課税枠は利用者の属性によって大きな差があります。その差の結果、年間の非課税対象枠は14.4万円~81.6万円という幅が生まれるのです。
非課税期間
比較項目 | 一般NISA | ジュニアNISA | 一般NISA | iDeCo |
---|---|---|---|---|
解約可能時期 | いつでも | いつでも | いつでも | 60歳以降 |
この非課税対象期間に関しても先ほど紹介した非課税対象枠と年間の非課税枠と同様に明らかな違いがあるのが分かると思います。
まず積立NISAの場合は非課税期間が一律20年と決まっております。その一方でiDeCoの場合は積立の最終年度が利用者が60歳になる年齢なので、対象期間は利用者の現在の年齢次第。例えば今のあなたが30歳ならば30年ですが、45歳ならば15年となります。
積立の最終年度が60歳になった時である以上、できるだけ若いうちから始める方が非課税特約の恩恵を長く受けられるという結果になりますね。
解約可能時期
比較項目 | 一般NISA | ジュニアNISA | 一般NISA | iDeCo |
---|---|---|---|---|
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 | 60歳まで |
特に覚えておきたい点は、iDeCoの解約可能な時期が60歳以降となっている点です。この縛りがある以上、いますぐ現金が必要な時に原則として解約できないという課題があります。
その一方で積立NISAはというと、今すぐ解約ができます。要するに解約の難易度に関してはNISA>iDeCoとなります。
この解約のしやすさの違いはしっかり押さえておきたいですね。
メリット・デメリット
NISA、iDeCoという2つの非課税制度。投資で得られた利益にかかる税金が非課税になるということで、両方やるべきと言ったような世論もありますが、何も考えずにみんながやっているからといった理由で飛びつくのは危険。
そこで、以下NISA、iDeCoという2つの非課税制度のメリット・デメリットをまとめました。客観的な投資判断を下すためにも、是非目を通してみてください。
メリット1:非課税の恩恵を受けられる
NISA、iDeCoの一番のメリットは、非課税の恩恵を受けられることですね。
現在日本で投資を行ない出た利益にかかる税率は約20%と少ないものではありません。
投資額に上限があると言っても、投資で得た利益が丸々自分の懐に入ってくるというのは嬉しいですよね。
メリット2:少額から手軽に始められる
特につみたてNISA、iDeCoに関しては毎月数千円~数万円の少額から、つみたて貯金をする感覚で手軽に投資を初められるのはメリット。
月々自動引き落としの設定さえしてしまえば後は投資のプロに運用はおまかせでき、出た利益が全て自分のものになるという点でも、投資初心者が精神的な挫折なく投資を続けられる工夫がされているのは良いですね。
メリット3:失敗しにくい
NISA、iDeCo対応商品は、金融庁が「長期」「積立」「分散」の投資に適していると判断した金融商品のみ。
勿論、投資にリスクはつきもので損失が発生する可能性はありますが、金融庁が初心者向けの判断した上質な金融商品に投資できるのは安心ですね。
メリット4:節税効果がある
こちらはiDeCoに限った話となりますが、iDeCoでの積立額は全額が所得控除の対象となり、掛け金の年間の総額が所得から差し引かれるため、所得税と住民税が軽減されます。
また、受取時にも特別控除が受けられ、所得から差し引いて税率を最小限に抑えることが可能です。
デメリット1:損益通算できない
NISA、iDeCo口座内で発生した損失や利益に関しては、他口座内で発生した利益や損失と相殺することが出来ません。
また、損失の繰越控除も出来ないので、NISA、iDeCo口座の他の口座でまとまった金額の投資を行っている方は、場合によっては損をする可能性もあります。
デメリット2:選べる金融商品が少ない
特につみたてNISA、iDeCoに関しては一般株には投資できませんし、ファンドに関しても金融庁に選ばれた数少ないファンドの中から投資ファンドを選ぶ形に。
ご自身でやりたい投資の方向性がはっきり決まっている方は、物足りないと感じる方も多いでしょう。
デメリット3:長期に渡りお金がロックされる
こちらはiDeCoに限った話となりますが、iDeCoに関しては60歳から引き出し可能となり、数十年の間運用資金が長期的にロックされることになります。
マイホームの購入などの突然の出費で生活費が足りなくなった、なんてことのないように長期的に使用予定のない試算を投資する必要があるでしょう。
また、つみたてNISAに関しても基本的には長期運用が前提の投資制度になりますので、短期での途中解約ですとうまく利益が出ず損をする可能性もあります。
デメリット4:手数料がかかる
つみたてNISA、iDeCo口座で投資できる金融商品のメインは投資信託(ファンド)。運用をプロに丸々おまかせできる代わりに、運用に関する手数料が発生。
こちらは運用成績に関わらず、運用額に対し毎日発生するものですし、自己投資を行なう株式投資の売買手数料などと比べると、長期投資になればなるほど投資コストは膨らんでいきます。
NISAとiDeCoのどちらを選ぶべき?
ここまで見てきましたようにNISAとiDeCoにはいくつも違いがありますので、どちらかを選ぶのでしたらあなたと相性が良いものを選ぶことが欠かせません。
まず、あなたが20歳以下の方であればジュニアNISA一択。早いうちから将来のために少額からコツコツと資産を貯めながら運用できると良いでしょう。
また、あなたが20歳以上の方で年間40万円以上投資をしたい、または一般株式への投資がしたい方は一般NISA、それ以外の方はつみたてNISAでコツコツと少額からつみたて投資を長期的に続けるのが得策と言えますね。
まず、引き出し期間が短く流動性が高いというところから、まず先にNISAの利用を検討しさらに投資資金を捻出できる方はiDeCoを利用して60歳までの長期に渡りコツコツと資産形成していけると良いでしょう。
シュミレーションしてみよう
NISAとiDeCoを利用するとだいたい月々いくら位を投資し、どれくらい増えるのかを考えてみます。
まず、楽天証券が提供する投資の情報サイト「トウシル」の調査によると、同社でつみたてNISAを利用している人は30~40代が多く、積立額は月々3万円以上に設定している人が全体の47%を締めたとのこと。
早速シュミレーションしてみましょう。以下、つみたてNISAで月々3万円を20年間、利回り3%ほどで運用を続けた場合に築ける資産額です。
金融商品
運用期間:20年
想定利回り:3%
実際に投資した金額:7,200,000円
運用により増えた金額:2,628,976円
最終的に築けた金額:9,828,976円
いかがでしょうか?700万円程投資を行い、250万円程の利益が出る計算に。最終的には20年で1000万円近くの資産を築ける試算となっています。
資産に関してはシュミレーションツールを利用すると簡単に行うことが出来ます。
適切な毎月の積立額や、利用制度に関してはここのライフステージや収入額によっても異なりますので、まずは一度試算をして無理のない投資プランを計画したいですね。
参考サイト
・三井住友銀行 メリットを確認!税軽減シミュレーション
・楽天証券 節税シミュレーション
またつみたてNISAやiDeCoの場合は基本的に初心者向けの投資信託が投資対象となり、毎月自動積立の設定さえしてしまえば、運用自体は投資のプロにおまかせできるので、投資初心者でも10年、20年と長期的に無理なく運用を続けることが出来ますよ。
非課税制度の始め方
ここまでの内容を踏まえ、NISAやiDeCoを使って資産運用を始めたいとお考えの方にNISAやiDeCoの始め方を紹介します。
NISAやiDeCoは、一人1口座のみ開設が可能。また、重ねてとはなりますが一般NISAとつみたてNISAの併用は出来ません。
非課税制度は、証券会社や銀行などの非課税制度の取り扱いがある金融機関の窓口や公式サイト上で始めることが出来ます。
申請書類の他に、本人確認書類とマイナンバーiDeCoの場合は基礎年金番号が必要となるので事前に準備をしておけると良いですね。
口座開設は1ヵ月程かかり、手続き完了後に開設した口座から掛け金の投資先の設定を行う形です。
特にiDeCoに関しては公式サイトでの情報発信が豊富に行われているので、始める前に一度じっくり公式サイトを読み込んでみることをおすすめいたします。
fa-angle-double-rightiDeCoナビ 公式サイト
メリット・デメリットを理解した上で利用
ここまで、NISAやiDeCo制度についてまとめてまいりました。
NISAやiDeCoはお得な制度ではありますが、利用するデメリットもあることをしっかり理解して、ここ無理のない投資プランで利用を検討したいですね。
特にiDeCoに関しては、60歳までという長期に渡りお金がロックされるため収入状況によっては利用の是非は慎重に検討することをおすすめいたします。
まずはいつでも解約可能なNISAから利用を検討し、追って余裕のある方はiDeCoの利用も合わせて検討したいですね。
本サイトでは他にも投資初心者向けに資産運用情報を発信しております。是非、以下の記事も合わせてご参考くださいね。
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