実は投資家にメリットがある?ヘッジファンドのロックアップ制度

ヘッジファンドのロックアップ制度
ヘッジファンドは、たとえ相場環境が悪かったとしてもありとあらゆる手法を使ってリターンを狙う、プロの投資集団が運用するファンドです。日本でも年金機構等、規模の大きな機関投資家が運用のポートフォリオに組み入れたことで知られるようになり、最近では少しずつ個人で投資する人も多くなってきています。

そんなヘッジファンドですが、ロックアップという期間が設けられており、これが最大のリスクであると言う投資家も居ます。
ここではヘッジファンドにおけるロックアップとは一体どういったものなのか、そしてロックアップが必要な理由について解説していきます。さっそく、ロックアップとはどのような制度であるのか確認していきましょう。

編集部員
さくら
実はこのロックアップ期間は無意味に設けられているわけではないのです!

この記事の要点

・ロックアップを設定することで投資機会と利益獲得のチャンスを逃さない
・ヘッジファンドはロックアップ期間が短いものを選ぼう

ロックアップとは

ロックアップ(Lock-up)は閉じ込める、鍵をしめるという意味になります。株式用語ですと、株式の新規公開や売出しの際に、その株の大株主が新規公開や売出し後の一定期間に持ち株を売却しないという契約のことです。上場した瞬間に割合の大部分が売られてしまっては株価が大暴落しかねませんので、これを防ぐために必要なルールなのですね。

ヘッジファンドにおけるロックアップとは、現金化・解約ができない期間のことを指します。現金化出来ないという点では、株式のロックアップと変わりませんね。

投資信託では、解約の注文を出せば1日~数日で現金化されますが、ヘッジファンドでは3ヶ月に1回や半年に1回などのまとまった期間、投資資金を預けたままにしておかなければなりません。

急な出金が出来ないので、投資家にとって不利に思えるロックアップ期間ですが、ヘッジファンド側はなぜロックアップ期間を設定しているのでしょうか。

理由

ヘッジファンドの性質上、ロックアップ期間の存在はある意味仕方がないと言えます。

1人あたりの出資額が大きく、ポートフォリオに大きな影響を及ぼすため

投資信託では、不特定多数の投資家がお金を出資しあっていますから、1人、2人が解約したところで影響はそれほど大きなものではありません。しかしヘッジファンドは少数のの出資者から資金を募る形式となっていますので、1人あたりの投資額が大きくなります。

ファンド全体の運用資産高に占める1人あたりの割合が高いので、ヘッジファンド側は保有する資産を売って現金化するのにもポートフォリオの割合が変わってしまったりとなかなか大掛かりになります。

投資機会、利益獲得のチャンスを逃さないため

例えば、ヘッジファンドにロックアップ期間がなく、運用期間中好き勝手に資金の出し入れが可能であったとしましょう。ヘッジファンドのファンドマネージャーはリターンが狙えるものに投資します。しかし、資金の流出が激しく、投資したいものに投資できなかった場合、投資機会を損失します。

さらに投資予定だったものの価値がその後上がったとすれば、取れるはずであった利益さえも取れないことになります。運用中に資金が出ていってしまうと、せっかく綿密に練られたヘッジファンドマネージャーの投資手法が水の泡になってしまう可能性があるのです。

急な資金の流出により、投資機会や利益獲得のチャンスを逃さないよう、ある程度投資に使う資金をキープしておくために、ロックアップ期間が設けられているわけですね。

ロックアップ期間を設けると、ヘッジファンド側が運用しやすくなり、最終的には投資家へのリターンに繋がります。とは言え、ロックアップ期間が長すぎると、弊害が生じるのも事実です。

リスク

ロックアップ期間によって、ヘッジファンド側も投資家も利益を得られやすい状態を保つことができると言えます。しかし、ロックアップ期間=資金の引き出しが出来ない期間ですから、急に資金が必要になった場合等は別で工面する必要があり、不便が生じるケースもあるでしょう。これを別の言葉で流動性リスクがあると言い換えることが出来ます。このリスクを抑えるためには、しばらく使用予定のない資金で運用するか、ロックアップ期間が短いヘッジファンドを選択する必要があります。

しばらく使用予定のない資金とは言っても、急に使用用途が発生する可能性もありますから、ロックアップ期間が短いものを優先的に選んだほうが良いでしょう。

一昔前の欧米のヘッジファンドにおけるロックアップ期間は、ハードロックアップ(Hard lock-up period)と呼ばれ、1年~3年程のロックアップ期間を設けていたのが一般的でした。最近は30日~90日程度のソフトロックアップ(Soft lock-up period)と呼ばれる比較的ロックアップ期間が短いヘッジファンドが増えてきています。

更に少しの解約手数料を払えばロックアップ期間内であっても解約が可能なヘッジファンドが多いです。欧米のヘッジファンドはロックアップ期間が短いものの、最低投資資金が1億円を超えるなどなかなかハードルが高いと言えます。

では、国内のヘッジファンドで比較的ロックアップ期間が短く設定されているものはあるのか、検証してみます。

国内ヘッジファンドのおすすめ

ヘッジファンドは情報を公にしていないことが多く、全てのファンドでロックアップ期間にまつわる情報を得ることはできませんでしたが、ロックアップ期間が比較的短いヘッジファンドがあるのでご紹介致します。

BMキャピタル (ロックアップ期間 3ヶ月/90日)

BMキャピタル

BMキャピタルは、年間利回りが10%を超すなど高利回りなヘッジファンドとして評判ですが、ロックアップ期間も良心的です。

BMキャピタルは3ヶ月に1回、四半期報告を発行してくれるのですが、ロックアップ期間も同じく3ヶ月で、もし契約後に何かしらの事情でヘッジファンドの解約をしたい場合は受け付けてくれます。

利回りの高さや、運用開始からマイナスリターンで終わった年が無い等、BMキャピタルは魅力的なヘッジファンドでありますが、ロックアップ期間が短いのもポイントが高いと言えるでしょう。

ちなみにですが、BMキャピタルの投資対象は日本株で中でもバリュー株(割安株)と言われる銘柄です。企業自体が持っている価値は高いのに、市場で適正な判断がされておらず、割安に放置されている銘柄に投資するので、後で株価が上昇した時に大きなリターンを得られるという仕組みです。

BMキャピタルについて詳しく説明した記事があるのでぜひ参考になさってください。

フロンティア・キャピタル (ロックアップ期間 3ヶ月/90日)

フロンティア・キャピタル

フロンティア・キャピタルもBMキャピタルと同じく3ヶ月間と比較的短いロックアップ期間を設けているヘッジファンドの1つです。

フロンティアキャピタルについて簡単に説明すると、新興国株(特にイラン株)を投資対象としたヘッジファンドです。新興国は人口増加も著しく、それに伴う経済成長率が高いのはもちろんですが、まだ株価が市場で適正に判断されておらず、割安のまま相場を漂っていると言えます。中でもメインの投資先として選定されたのが、イランです。

一般的に新興国投資というと、インドや中国等の株式が挙げられますが、既に経済成長率の鈍化が見られるために、イランを投資対象として絞ったわけですね。日本から直接イラン株に投資しようとすると、現地での銀行口座や証券口座の開設が必要なことや、情報の取得も難しいですから、これに目を付けたフロンティアキャピタルのヘッジファンドマネージャーが投資先を選定したわけですね。

高利回りが狙えて魅力的だけど、イラン株自体に少し不安があるという方も、ロックアップ期間が短いので検討してみてはいかがでしょうか?

フロンティアキャピタルやイラン株について、もっと詳しい情報は以下の記事をご参照ください。

まとめ

ロックアップ期間は、ヘッジファンドが投資活動を円滑にするため設けられた期間であることがおわかり頂けたかと思います。
投資機会や利益獲得のチャンスを逃すこと無く運用することは、リターンに直結しますから、投資家にとっても重要であると言えますね。

しかし、長過ぎるロックアップ期間は万が一現金が必要になった場面で大きな弊害となり得るため、避けたほうが良いでしょう。ヘッジファンドへの投資を検討している方は、投資対象や運用成績ももちろん重要ですが、ロックアップ期間が短いものも選ぶ際の優先事項に入れてみてはいかがでしょうか。

編集部員
さくら
上記で紹介した2ファンドはロックアップ期間が3ヶ月と短い点から、投資先の選択肢として検討の価値はありそうですね。

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