高い利回りを維持するREITの仕組みとは?

REIT

株や債券などに比べて高い利回りを狙えるとして人気を集めているREIT(リート)。高利回りということはリスクも高いのではないか?と心配になる方もいらっしゃいますよね。ここではREITの仕組みや高い利回りを維持している理由、そしておすすめのREITをランキング形式でご紹介致します。まずどのような仕組みになっているの簡単にご説明差し上げます。

 

この記事の要点

・利回りが高く設定されているは法人税が免除になるから
・REIT選びのポイントは全部で4つ

J-REIT(リート)とは

不動産を投資対象とした不動産投資信託のことを指します。REITを組成する不動産投資法人は、投資家たちから資金を集め、不動産への投資を行います。賃料や不動産を売買して出た利益を投資家に配当する仕組みとなっています。

 

REIT

 

投資家たちは、不動産投資法人を介して間接的に不動産のオーナーになっていると言えます。REITで運用する際のメリットは一体どのようなものでしょうか?次の章で解説致します。

メリット

REITで運用するメリットは、大きく分けて以下の2つがあります。

 

  1. 実物の不動産よりも簡単に不動産投資が可能
  2. 高い分配金利回りを狙える

 

早速、1つずつ紹介していきます。

1、実物の不動産よりも簡単に不動産投資が可能

マンションなど実物の不動産を保有しようとすると、初期投資にまとまった資金が必要であったり、借入をして(ローンを組んで)投資を始める必要があります。例えば購入した不動産の買い手(入居者)が見つからなかったり、購入した不動産に欠陥や修繕しなければならない箇所があると、それらにかかるコストは不動産の購入者が負担することになるケースがほとんどです。不動産を購入したのにも関わらず、入居者が見つからずに賃貸収入を得ることができない空室リスクもあります。

 

対してREITでは管理を不動産投資法人に任せることが出来るので複雑な手続きもなく、’複数の不動産に投資をするので空室リスクも低く抑えられる点が評価できます。

2、高い分配金利回りを狙える

現在(2019年9月27日)東証一部に上場している株式の平均配当金利回りは約2%。

参考:>>日本経済新聞 国内の株式指標(外部リンク)

 

対してJ-REITは3.5%となっており、高い分配金利回りであることが分かります。以下のリンクで現在上場しているJ-REITの一覧が確認できます。
参考:>>JAPAN-REIT.COM(外部リンク)

 

過去10年間のチャート推移も見てみましょう。

 

REIT過去10年間のチャート
※青線がREITの値動き
引用:>>J-REIT.jp J-REIT分配金利回り(10年間)(外部リンク)

 

最高で7%近くあったJ-REITの利回りは現在3.5%前後で落ち着いていますが、株や日本の長期金利に比べると遥かに高い利回りを確保できていることが分かります。個人向け国債や預金などでは利子も雀の涙程度で、運用の効果がほとんどありません。少しリスクは高くなりますが、配当金や分配金などの、保有している期間に受け取れる利益(インカムゲイン)を狙う方には特におすすめです。

 

このようにREITは非常に高い分配金利回りを得られますが、これには理由があります。

分配金利回りが高い理由

REITが分配金を高く設定しているのには、以下3つの理由があります。

 

  1. 一定の条件を満たせば法人税が免除される
  2. 収益源が賃料収入であること
  3. 低金利で資金調達が出来るため

 

ここでも、1つずつ見ていきましょう。

1、一定の条件を満たせば法人税が免除される

REITには、当期利益の90%以上を投資家に分配すれば法人税が免除されるという仕組みがあります。当期利益は、保有している不動産から出た賃料収入から、手数料や修繕費、借入に伴う利息などを差し引いた利益のことを指します。

 

一般的な会社は当期利益の内の一部を内部留保し、設備投資や新規の事業を始める資金にするなどしますが、成長資金としての使用が認められている代わりに税金がかかります。REITでは、一般的な会社のように成長のために資金を内部留保しておく必要がないので、利益の殆どを分配金として出しています。

2、収益源が賃料収入であること

投資している不動産にテナントが入らなかったりと、空室が続く場合には賃料収入を得ることができませんが、REITは複数の不動産を同時に保有するので安定した賃料収入が期待できます。オフィスの移転を頻繁に行う会社はあまり見たことがないですよね。一度契約したらしばらくは契約が続くことが多いので、その間は継続して賃料収入が入ってきます。

3、低金利で資金調達が出来るため

現在の日本は低金利下にありますから、不動産を購入するにあたって必要な資金を調達することが出来ます。収益から削られるコストが減り、高い分配金を出せるひとつの要因となっています。今後も日本の金利は上昇する見込みが殆どないと言われていますので、物件獲得にかかるコストは低いレベルを維持できるものと見られます。

 

分配金利回りが高く、投資家に安定的な利益をもたらすREITですが、金融商品なのでもちろんリスクも存在します。

リスク

REITでの運用に係るリスクは、全部で以下の4つです。

 

  1. 上場廃止のリスク
  2. 金利上昇のリスク
  3. 災害リスク
  4. 不動産市況の悪化リスク

 

ここでも、1つずつ確認していきましょう。

1、上場廃止のリスク

株式と同じで上場廃止となると、市場での取引ができなくなります。この場合元本損失は免れないと考えられ、場合によってはゼロになる可能性もあります。

2、金利上昇のリスク

今後金利が上昇するようなことがあれば、不動産を購入するためのコストが高くなりますので、投資家にもダメージを与える恐れがあります。しかし、日本全体の金利は現状で上昇する見込みがほとんどありませんので、資金調達も低コストを維持できる可能性が高いと言えます。

3、災害リスク

運営ができないような重大な欠陥が見つかったり、大きな自然災害が起きて建物が損傷を受けたりすると、保有している不動産から収益を受けられなくなり、分配が減額もしくは失くなる可能性があります。このリスクを避けるためには、地域もある程度分散されるものを選ぶようにしましょう。

4、不動産市況の悪化リスク

日本の不動産市況の悪化につながるのは、人口や、訪日客の減少などが挙げられます。人が居ないために賃料相場が低下したり、売却時の価格が想定していた価格よりも低かった場合など、分配金が引き下げられることもあります。REITも金融商品なのでリスクはありますが、正しい商品選びをすることでリスクを低くすることが可能です。

分配金利回り以外にも注目!REITの選び方

REITを選ぶ際のポイントは、以下の4つです。

 

  1. 時価総額が高いもの(最低でも1000億以上が望ましい)
  2. 分配金利回りが平均を超すもの(最低3%)
  3. オフィス特化型や総合型のもの
  4. 保有不動産が分散されているもの(保有個数・地域)

 

1つずつしっかり理解して、損をしない銘柄選びを行いましょう。

1、時価総額が高いもの(最低でも1000億以上が望ましい)

時価総額は簡単に言ってしまうと企業の大きさ、規模を表す目安です。(計算方法は株価×発行済株式総数)

 

時価総額が低いものですと、売買する人の数が少なくなるので、まとまった株数を売りに出す投資家が居た際に値段を大きく下げることが合ったり、どうしても値動きが安定しづらくなります。時価総額が低いものは機関投資家なども投資を避けますので、安定的な値上がりにはつながりづらいと言えます。最低でも1000億円以上の時価総額があるものを選ぶようにしましょう。

2、分配金利回りが平均を超えるもの(採点3%)

REITの魅力はなんと言ってもその分配利回りの高さでありますから、わざわざ分配利回りの低いものを選ぶ必要はありません。利回りは最低でも3%程度で、なるべく平均を超える程度のものを選びましょう。

3、オフィス特化型や総合型のもの

オフィス用の物件を主な投資対象としているREITや、オフィスや住宅、倉庫など用途に限らず多種多様な不動産を保有している総合型がおすすめです。

 

反対に、商業施設特化型には注意が必要であると言えます。一例を挙げれば、ファストファッションでH&Mのライバルと言われていたFOREVER21が日本からの撤退を発表したこと。このように巨大な店舗かで自ら動いてほしいものを探すのではなく、インターネットを使って簡単に商品選びから購入まで完結できる方へと流れています。トイザらスもアマゾンとの競争に敗れて倒産しており、商業用施設の展望はあまり明るくありません。

 

総合型のREITでも商業施設の割合が高いものなどはなるべく避け、オフィスや物流施設などの割合が高いものを選ぶようにしましょう。

4、保有不動産が分散されているもの(保有個数・地域)

REITの中には保有不動産が少ないものもあります。そのようなREITでは、不動産1つ1つに対する収益割合が高いので、1つの物件で大きなテナントが抜けたり収益が落ちるようなことがあった際に、価格や分配金を下げるリスクが高いと言えます。

 

また、とある地域に集中して投資しているREITでは、その地域で災害が起きた場合などに賃料収入を得ることが難しくなります。このように保有不動産の数が極端に少なかったり、1つの地域に集中しているREITは避けたほうがベターと言えます。保有不動産が少なすぎず、地域もある程度広範囲に渡るものを選ぶように心がけましょう。

REITおすすめランキング

ここで、REIT選びの参考にしたい、2019年9月27日現在で4つのポイントをすべて合格したREITを3つ紹介していきます。

 

順位 銘柄名
1位 8984大和ハウスリート投資法人
2位 3281GLP投資法人
3位 3462野村不動産マスターファンド投資法人

1位 8984大和ハウスリート投資法人

タイプ 時価総額 分配金利回り
総合型 約6300億円 3.71%

 

時価総額、利回り、格付けともに申し分ないREITと言えます。ポートフォリオのうち約半分が物流施設、30%が住居、その他ホテルや商業施設も保有しています。保有物件の70%程度が東京23区を含む関東圏内に、その他30%は中部・近畿地方などが占めています。

2位 3281GLP投資法人

タイプ 時価総額 分配金利回り
物流施設特化型 約5400億円 3.62%

 

物流施設の運営及び開発で国際的に有名なGLPグループの日本法人をスポンサーとしているREITで、保有不動産の100%を倉庫などの物流施設としています。物流施設特化型のREITの中では最大規模となっており、日本銀行も5%以上を保有しています。分配金利回りも平均を超え、今後も安定した利回りが期待できるREITのひとつです。保有不動産の半分強が関東、残りが関西を含めた他地域となっており、地域分散も図られています。

3位 3462野村不動産マスターファンド投資法人

タイプ 時価総額 分配金利回り
総合型 約8300億円 3.29%

 

一時は時価総額が1兆円を超し、ランキングでは常にトップ3に入る超ビッグファンドの1つです。中身の不動産の内訳はオフィスが半分弱、住居と商業施設、物流施設がそれぞれ20%以下となっている構成です。格付けも高く、日銀も6%以上を取得しています。保有不動産のほとんどが東京、関東圏内を占めますが、15%は関西などの他地域にも渡り、ある程度の地域分散が図られています。

 

今でこそREITは分配金利回りも高く投資対象として大変魅力的ですが、今後の見通しはどうでしょうか。次の章で解説致します。

今後の展望

日本だけに限らず海外でも金利を引き下げる動きがある中で、相対的に分配金利回りが高いREITへの資金流入が今後も見込まれます。東京都心のオフィス平均賃料も上昇を続けていることから、オフィス物件を中心に安定的な利回りが期待できそうです。

 

一方で、不動産市況全体では一部不動産の価値と見合わない価格になっているとの指摘もあり、過熱感が見られます。今後どこかのタイミングで一度下落する可能性も大いに考えられるでしょう。最後に、簡単ではありますが分配金利回りの計算方法についてご説明致します。

分配金利回りの計算方法

REITの分配金利回りはインターネットなどで簡単に確認することが出来るので、わざわざご自身で計算する必要はありませんが、計算式があるのでご紹介致します。

 

分配金利回り=1口あたりの年間予想分配金÷1口あたりの投資額×100

 

年間予想分配金が3,000円、1口あたりの投資額が10万円であった場合、

 

3,000円÷10万円×100=3%

 

よって分配金利回りは3%となります。

まとめ

税制や不動産の収益の上げ方、国の低金利が持続しているからREITは高い利回りを維持出来ていることがおわかり頂けたかと思います。特にインカムゲイン狙いの方には大変おすすめの商品であると言えます。利回りが高く投資商品として大変魅力的なREITですが、もちろんリスクもありますので、商品選びは慎重に行うようにしましょう。

 

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