解約すべき?人気投資信託ひふみ投信の運用不調を分析

ひふみ投信

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たいへん、不穏なキーワードが並びます。そうなると、現在ひふみ投信を保有している方は勿論のこと、これからひふみ投信を購入しようと考えている方も「解約したほうが良いのか?」「これから初めて良いのか」と今後が不安になりますよね。

 

そこで今回はマネーブリッジ編集部が、そんなひふみ投信の不調の理由と今後の展望に迫っていきます。現在ひふみ投信を手放そうか悩んでいる方、またこれからひふみ投信を購入しようと考えている方に是非読んでいただきたいコンテンツです。まず初めに、投資信託「ひふみ投信」の概要について簡単におさらいしておきます。

 

この記事の要点

・ひふみ投信は、日本株式に投資をするアクティブファンド。
・2018年は運用資産の急増、相場の悪さもあり年間でマイナス-21%の損失。
・運用レポートと相場の動きを照らし合わせ、今後の可能性を予測する必要あり。

 

ひふみ投資とは?

ひふみ投信とは、日本株式に投資をするアクティブファンドです。投資信託には、インデックス型とアクティブ型の2種類があります。

 

 

まず、インデックス型投資信託の場合は日本の平均株価である「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」などの指数と同じような値動きをするように設定されます。つまり、市場の平均点(=相場)を狙っていく運用方法です。反対に、アクティブ型投資信託は上記指数を常に上回るように運用を行います。市場の相場が悪くても、攻めの運用で行うことで、大きなリターンを出せるときもあれば、場合によってはマイナスを出すこともあるのが特徴。

 

アクティブ型投資信託であるひふみ投信は、常に市場平均に勝ち続ける必要がある為、市場全体にまんべんなく投資を行っていてはその目的は達成できません。ファンドが好成績を叩き出すには、市場の良しあしに関わらず無条件で「値上がり」する銘柄にピンポイントで投資を行う必要があります。

 

アクティブ型インデックス型投資信託の違い

 

そこで、ひふみ投信では実際に代表の藤野氏自ら年間100社以上全国行脚し、投資先企業の収益、株価水準などの「定性」と経営ビジョン、経営者の人柄、現場の声などの「定量」の両面から徹底的な銘柄分析を行います。広島の豆腐製造メーカー「やまみ」や、宮崎県のコインランドリー運営会社「WASHハウス」など、当時は無名であっても、大きな成長の可能性を秘めた企業を次々と探し出し、株価が割安な段階で買い付けておくことで投資企業の成長と共に驚異的な運用実績を叩き出してきました。

 

やまみ株価チャート
(引用)
・日本経済新聞社「株価チャート やまみ」(外部リンク)

年間でプラス10%!ひふみ投信黄金期

そんなひふみ投信の人気は、2017年にひふみ投信の代表藤野氏がテレビ東京系列の人気番組の「カンブリア宮殿」(2017年2月16日放送)に取り上げられたことで加速しました。皆さんの中にも、見た!という方も多いのではないでしょうか。

 

カンブリア宮殿
引用:テレビ東京 カンブリア宮殿

 

運用資産
引用:ひふみ投信 基準価額推移

 

テレビ出演があった2017年2月から純資産(上図、灰色線)は急上昇し、ピークの2018年上旬には当時から考えると3倍を超える1488億円に及んでいます。

 

運用成績

 

また、以下は2018年9月時点でのひふみ投信の運用成績のチャートです。テレビ出演の反響の大きさは、以下ひふみ投信の基準価額・純資産総額チャートから垣間見ることができます。

 

ひふみ投信運用成績
引用:ひふみ投信 運用レポート 2018年9月度

 

日本の平均株価である、TOPIX(グラフ内灰色)の値動きと比べても高パフォーマンスであったことが分かります。インデックス型の投資信託へ投資すれば、TOPIXの値動きと同じようになることを考えると、ひふみ投信へ投資する理由は十分あったと言えるでしょう。続いて、最強ファンドと呼ばれた「ひふみ投信」の明暗が危ぶまれた2019年現在の運用成績を見てみます。

2019年現状をチェック

2019年7月現在のひふみ投信の純資産総額は、約1296億円。全盛期(1488億円)と比べると、-200億円程の減少となっています。そこで、気になるのが運用成績。以下、ひふみ投信の基準価額の推移(運用レポート 2019年6月より)を見ていきましょう。2018年に入ってから下落が目立つようになったことが、一目でわかります。

 

2019年ひふみ投信運用成績
引用:ひふみ投信 運用レポート 2019年6月度
※黄色線はマネーブリッジ編集部により加筆

 

結果、2018年は年間でマイナス-21%の損失を出してしまいました。

 

各年の収益率
引用:ひふみ投信 運用レポート 2019年6月度
※黄色線はマネーブリッジ編集部により加筆

 

信じて預けたひふみ投信で、マイナス-21%という大きな損失を出されてしまった。2018年ひふみ投信には、投資者から多くの厳しい言葉が集まりました。

 

続いては本題、2008年の設立から、08年のリーマンショック、15年の中国ショックなど荒波をプラスで乗り越えてきたひふみ投信が08年大きなマイナスを出してしまった理由に迫っていきます。

不調の理由を探る

先述した通り、08年にマイナス-21%と大きな損失を出してしまったひふみ投信。まず、SNSの投稿から投資者の見解を見ていきましょう。

SNSでの反応

以下、直近のひふみ投信に対する Twitter での口コミです。振るわない運用成績に対する、耳に痛い厳しい声が続きます。

 

 

また、不調の声が多いひふみ投信には既に見切りをつけ、投資先を変更された方も多く見受けられました。

 

 

上記の投稿からわかるように、多くの投資者の方を失望させてしまった、ひふみ投信の08年成績不振の理由は一体何なのでしょうか?

ファンドの下落理由

以下、ひふみ投信の08年成績不振の理由を3つのポイントに分けて説明していきます。

 

ファンドの下落理由

  1. 純資産総額が急激に増えすぎた
  2. 相場の悪さ
  3. AIやIoT関連株式の伸び悩み

 

まず、1つ目は相場の悪さです。

1、純資産総額が急激に増えすぎた

運用開始以来、日本の「国内銘柄」にへの投資にこだわってきたひふみ投信ですが、2017年から外国株であるアマゾンドットコム、マイクロソフトなど海外の大型株に投資をし始めます。2018年9月時点の組み入れ銘柄を見れば、一目瞭然。

 

組み入れ銘柄2018
引用:ひふみ投信 運用レポート 2018年9月度
※黄色線はマネーブリッジ編集部により加筆

 

自らの足を使った国内株の銘柄発掘にこだわりを見せていたひふみ投信がの大型株に手を出し始めた大きな理由としては、純資産総額が急激に増えすぎたことが挙げられます。2017年のテレビ出演後、一気に純資産総額は増え、投資者から預かった資産(=運用しなければいけない資産)は1,000億円を超えてきます。そうなると、今まで通り割安な株式ばかりを買い占めていては、全ての資産を運用しきれません。

 

そこで、巨額の資産を全て運用しきる為に、株式の発行量も多く、まとまった株価がついている大型の海外株に目を付けるようになります。しかし、海外の大型株式への投資比率を増やし始めたひふみ投信に悲劇が襲ったのが2018年。米中貿易戦争により、アメリカのナスダック市場が大きく下落。ひふみ投信が投資を行っていた、Amazonやマイクロソフトも軒並み下落。

 

Amazon株価
(引用)
・ロイター「Amazon.com Inc」(外部リンク)
※黄色線はマネーブリッジ編集部により加筆

マイクロソフト
(引用)
・ロイター「 Microsoft Corp」(外部リンク)
※黄色線はマネーブリッジ編集部により加筆

 

既に海外銘柄が多くの保有率を占めていた、ひふみ投信はアメリカ株式市場の不況を影響を正面から受けてしまいます。

 

2つ目の要因は、相場の悪さです。

2、相場の悪さ

以下、再度2018年度9月時点でのひふみ投信の組み入れ銘柄を見てみます。

 

組み入れ銘柄
引用:ひふみ投信 運用レポート 2018年9月度

 

まだ名前も知られていない、これからの成長が期待できる「中小企業」を自ら発掘し投資を続けていた頃とは違い、上位銘柄は全て国内外の「大型株」で占められていることがわかります。その理由は先述した通り、純資産総額が急激に増えすぎたことにありますが、ここまで組み入れ銘柄に対する大型株の比率が増えると相場に影響を及ぼすほどの力を持っていない、国内の中小企業に投資をしていた頃とは話は大きく変わってきます。

 

つまり、ひふみ投信は相場を作る役割をする「大型株」の値動きに左右されるようになり、08年株価の大暴落が2回も起きた1972年以降で最悪と言われた重たい相場の影響を正面から受けてしまいました。相場の下落とともに、同投資信託の基準価格も大幅に下落。臨時レポートでも、代表藤野氏は行き過ぎた株価の下落に対する思いを述べています。

 

ひふみの基準価額の下落について多くの方にご心配をおかけしていることを、心よりお詫び申し上げます。
株式市場については値上がりも値下がりも実際の価値と比較してしばしば行き過ぎることがありますが、最近の株価の下落については、甚だ行き過ぎていると感じています。

引用:>>ひふみ投信 ひふみ投信の基準価額変動について運用責任者からのメッセージ

 

最後は、AIやIoT関連株式の伸び悩みです。

3、AIやIoT関連株式の伸び悩み

お金の総合サイトダイヤモンド・ザイでのインタビューにて、代表の藤野氏は機械や電機、半導体など、注目していたAIやIoT関連株式の今後の業績に不透明感が出てきたと述べています。

(参考リンク)
・ダイヤモンド・ザイ「「ひふみ投信」が不調の理由を藤野英人さんに直撃!」(外部リンク)

 

 

実際にひふみ投信は、AIやIoT関連株式の組み入れを積極的に行っていました。例えば組み入れ銘柄の1つ、宇宙機器にも使用される波動歯車装置の製造を行う「ハーモニック・ドライブ・システムズ」は売上高の上昇とは裏腹に、受注高の減少が顕著に見られるようになります。

(参照リンク)
・ハーモニック・ドライブ・システムズHP「単体受注高・売上高」(外部リンク)

 

世界景気の影響を受け、半導体メーカーの業界団体が2019年の市場規模予測を前年比12%減に下方修正したと言ったニュースからもAIやIoT関連株式の株価下落の影響を受けたと言えるでしょう。

 

半導体メーカーの業界団体が2019年の市場規模予測を前年比12%減に下方修正したのは、世界景気の影響が大きい。18年まで半導体を大量に調達してきた米データセンター事業者が在庫調整に動き、スマートフォン(スマホ)需要も頭打ちになるなか、景気要因も重なり大幅な縮小見通しとなった。

引用:>>日本経済新聞 景気減速、半導体を直撃 米中摩擦で不透明感(外部リンク)

 

同ファンドが、このようなAIやIoT関連株式の保有を大きく行っていたことも運用成績不調の一因と言えるでしょう。

 

さて、ここまでひふみ投信の08年成績不振の理由を説明して参りました。資産額の急激な増加から、組み入れ銘柄の変更に伴い結果景気の影響もうけ成績不振に陥ったひふみ投信。最後に、そんなひふみ投信の今後の展望について見ていきます。

今後の展望

今後、ひふみ投信の運用成績がどうなっていくか。その答えは、誰にもわかりません。しかし、ひふみ投信今後の展望を予測するにあたり以下2点は頭に入れておいても良いでしょう。

 

ひふみ投信の今後の展望

  1. 景気の上昇により、株価が上場する可能性もある
  2. 資産運用は「長期投資」が前提

 

1、景気の上昇により、株価が上場する可能性もある

先ほど、ひふみ投信は大型株を組み入れるようになった為に、景気の影響を受けやすくなってしまったと述べました。そうなると、相場が上昇すればひふみ投信も自然と上昇する構図となっていることが想像できます。考え方によってはアンダーバリューな今、買っておいて景気の回復と共に値上がりを待つこともできるでしょう。

2、資産運用は「長期投資」が前提

資産運用の基本は、長期投資。1年目で損失が出ても、プラスを出したりマイナスを出したりしながら、5~10年後にしっかりプラスになっていればそれで良いのです。投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェット氏のファンド「バークシャー・ハサウェイ」の運用成績も、2012-16の過去5年間のうち4年間でアメリカの平均株価であるS&P 500を下回っています。つまり、短期的な時間軸で見ると市場の平均点に勝てていないと言えますね。

 

バークシャー対S&P
(引用)
・THE ECONOMIC TIMES「 Buffett’s new mantra is ‘bad stocks at good prices’; what happened to ‘good stocks’? 」(外部リンク・英語)

 

しかし、50年間という長期で見るとバークシャー・ハサウェイの運用成績は年間の平均で20%以上のリターンを記録しています。株式投資の年間平均リターンが3~5%程と言われていることを考慮すると、驚くべきリターン率と言えます。ひふみ投信も同様に、2008年の設定来~現在という長期の時間軸で見れば市場平均以上の成績を残しているのは一目瞭然。

 

運用成績
引用:ひふみ投信 運用レポート 2018年9月度
※黄色線はマネーブリッジ編集部により加筆

 

現在割安となっているひふみ投信を購入して、長期保有しじっくり値上がりするのを待つのも良いかもしれませんね。

 

さて、ここまでひふみ投信今後の展望を予測するにあたり、留意しておきたい2点を紹介してきました。いかがでしたでしょうか?上記、「待てば上がる可能性もある」という見方の紹介となりましたが、ひふみ投信の運営側は「待ち」の姿勢だけでなく状況にに応じその都度柔軟に投資銘柄の組み入れを行っているようです。

 

過去と現在の組み入れ銘柄を比較しても、アマゾン・ドット・コムやビザなど今回の下落の原因の1つとなった米国大型株を外し、景気の上がり下がりに振り回されにくい、日本国内の中・小銘柄が多く組み入れられています。

 

組み入れ銘柄

引用:ひふみ投信 運用レポート 2019年6月度

 

投資前も、投資後もひふみ投信の運用レポートと相場の動きを照らし合わせ、ひふみ投信の今後の可能性を予測できると良いですね。

 

最後に、まとめです。

投資は自己責任

ここまで、ひふみ投信の不調の理由と、今後の展望について紹介してきました。極論となってしまいますが、投資に関しては自己責任です。ブログやメディアで誰かが良いと言ったから、反対に誰かが悪いと言ったからそんな理由で金融商品の売買をするものではありません。

 

特に投資信託に関しては、文字の通り預け先のファンドを「信」じて「託」す意味合いが強くなりますので、多方面から情報集めをして投資を検討できると良いでしょう。

 

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