現在もお手本にされるバリュー株投資の父ベンジャミン・グレアム

ベンジャミングレアム

投資の巨人と呼ばれるウォーレンバフェット。

 

投資の経験がある方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。このバフェットの師匠に当たる人物こそがベンジャミン・グレアムです。彼がこの世を去ってから40年以上立ちますが、未だに彼の投資法を軸に投資する人は多くいます。

 

ここでは元証券ウーマンのさくらがなぜベンジャミン・グレアムは死後ほぼ半世紀経つのに注目を浴び続けているのか、そしてその投資法をご紹介致します。現代版に少し改良されたベンジャミン・グレアム式投資方法も合わせてお話させていただきます。

 

この記事の要点

・ベンジャミン・グレアムは分析の達人であった
・改良版ベンジャミン・グレアム式バリュー株の探し方に注目
・正しい分析には莫大な時間と大変な労力が必要である

ベンジャミン・グレアムとはどんな人?

ベンジャミン・グレアムはアメリカの経済学者で、バリュー投資の父と呼ばれています。1894年イギリスのユダヤ系の家庭に生まれ、1歳のときにアメリカへ移住しました。

 

9歳で父親を亡くした後、母親が株で莫大な損失を出し、経済的に裕福とはいえない環境で育ちましたが、奨学金を受けてコロンビア大学へ入学します。大学を卒業後、ニューヨークの証券会社に入社しましたが、34歳で独立し、グレアム・ニューマンという投資会社を設立しました。

 

ベンジャミン・グレアムは2度の経済危機を経験したことと、幼い頃の母親の失敗から、「健全な投資とはいかなるものなのか」についてを考え続けました。そしてバフェットが投資本の最高傑作と称し、株式投資のバイブルとも言える本「賢明なる投資家」を発表しました。

 

ベンジャミン・グレアム

 

亡くなる直前まで自らの投資手法である「バリュー投資」をアップデートさせていたと言われています。

グレアムが提唱したバリュー株投資

ベンジャミン・グレアムは財務分析を行い、元本の安全性について検証を重ねた上で銘柄選択を行うこと=投資とし、それ以外の人気銘柄に投資したり、デイトレードのような短期売買は投機(≒ギャンブル)と呼んでいました。

 

投資先は緻密な財務分析に基づき決定し、元本の安全性を守りつつ収益を得るよう徹底的に分析し、さらに実際の価値より割安に放置されている株式を見つけて投資をしました。

ネットネット株

グレアムは以下の方法で導き出せる銘柄をネットネット株と定義しました。

 

”正味流動資産のみを考えた簿価よりも安い価格で買える株をなるべく多く取得する。われわれがが買い付けた銘柄の殆どは、この「スリム化された」資産価値の三分の二以下の価格で入手したものである。”

引用:「賢明なる投資家」著ベンジャミングレアム

 

引用文に出てくる正味流動性資産とは、流動資産から負債を引いた資産です。

 

式にすると、

 

数式

 

文字にしても式にしても分かりづらいと思うので以下の図で確認してみましょう。上記の図が正味流動性資産ですが、この正味流動性資産の2/3が時価総額よりも多いものをネットネット株と呼んでいます。

 

正味性流動資産

 

この式に当てはまる銘柄は、

 

  • 経営破綻しても残る現金が多い → 安全
  • 市場に安全性価値が反映されていない → 割安

 

となり、ベンジャミン・グレアムはこれこそ「健全な投資」と考えていたわけです。

>グレアムによる財務分析の欠点

しかし、ネットネット株にも欠点がありました。

値上がりのタイミングがわからない

どのバリュー株にも言える点ですが、割安判断がされているからといって、値上がりするかはわかりません。

 

本来は割安なタイミングで買付けて、高値になったところで売るのが利益を得られるポイントとなりますが、市場が正しい価値をつけるまでにどれほどの時間を要するかは読めないものです。
最悪の場合、買ったまま上がらないなんていうこともあります。

 

実際にベンジャミン・グレアムもなかなか値上がりをしない銘柄に対して経営に入り込み株式価値の向上のための助言なんかもしていました。プロの投資家であるグレアムでさえしびれを切らしていたのですから、私達が気長に待つのはもっと難しいですよね。

資産価値が正確でない

以下の図で、どちらがより良い投資先なのか考えてみましょう。

 

バランスシート

 

左側が総資産の内訳ですが、中身に大きな差があります。答えは▲社です。

 

左側の●社がなぜ投資対象として適さないかというと、持っている資産の本当の価値が不透明だからです。正味流動性資産には、商品も資産として計上されていましたよね。

 

正味流動性資産

 

 

もしその商品が流行りものの洋服であったり、消費期限の短い食品である場合は特に資産価値の下げが早いです。さらに、その商品の売れ行きが悪かった場合は廃棄になることも考えなければいけませんので、今後計上できる資産としては不透明な部分があります。

 

よって、資産のほとんどを現金や株式などの金融資産で持つ▲社がより良い投資先といえます。この企業がもし倒産したとしても、負債分は全て金融資産で賄うことができ、投資先として健全だという判断が下されます。

 

商品は実際に売れてからでないと現金化ができませんよね。なので現在は流動資産から商品も抜いた確実にかつ簡単に現金化できる資産のみを用いた式を使う流れとなっています。

現代版ネットネット株の探し方

 

=(確実にかつ現金化できる資産-負債)>時価総額

 

いつの間にか2/3も取っ払われていますが、とにかく時価総額よりも手元に残る現金の方が多ければネットネット株という方程式に変わりつつあります。

実際にベンジャミングレアム風に投資するなら

ネットネット株は、割安株を割り出す指標として有名なPERやPBRのように、株式サイトで簡単に探せるわけではありません。

 

 マネーブリッジ編集部メモ:
PERやPBRについては以下の記事が参考になるでしょう。
>>株のよくある失敗!上がる株の選び方

 

企業が定期的に報告する決算報告やバランスシートをもとに計算するのは1社だけならまだしも、数社~数百社比較するとなると膨大な時間がかかります。また、バリュー株投資なので、利益は株価が上がれば得ることが出来ますが、そのままバリュー株で居続ける可能性もあります。

 

個人ではじめようとするとなかなかハードルの高いベンジャミン・グレアム風投資ですが、同じように投資しているプロの投資家がいるので、ぜひ参考にしてみて下さい。

 

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