種類別に徹底解説!不労所得にかかる税金

不労所得にかかる税金

働かずして得ることのできる収入=不労所得。働かずして得られる収入を増やすために模索している方も多いのでは無いでしょうか?しかし不労所得にも税金がかかることはご存知でしたか?今不労所得を得ている人で、実は税金の申告が必要な場合も。未払いや払い過ぎを防ぐためにも、税金について勉強しておくことも大切です。

 

ここでは不労所得の種類別にどのくらい税金がかかるのか、解説致します。厳密には、所得税法上に不労所得という項目はないため、複数の所得に区分されそれぞれ課税されます。なので、不労所得として代表的なものに対する税金を紹介していきます。

 

この記事の要点

・節税効果は、個人<法人
・払い過ぎた税金を取り戻すには申告が必要

不労所得にかかる税金の種類

まず始めに、不労所得にかかる税金の種類を見ていきます。以下、不労所得にかかる税金は主に以下の5種類です。所得を得た手段によって、かかってくる税金が異なりますのでしっかり見ていきましょう。

 

不労所得にかかる税金の種類

課税対象の所得 所得を得た手段 課税方法 税率
利子所得 預貯金や債券等 分離課税 一律20.315%
配当所得 株式の配当金や投資信託の分配金等 分離課税または総合課税 課税方法により異なる
不動産所得 不動産の家賃収入や売却益等 総合課税 15%~55%(住民税込みの税率/給与所得など他の所得と合算して計算が必要)
事業所得 副業で得た収入等 総合課税 15%~55%(住民税込みの税率/給与所得など他の所得と合算して計算が必要)
雑所得 オークションでの売却益等継続的でない収入 総合課税 15%~55%(住民税込みの税率/給与所得など他の所得と合算して計算が必要)

 

続けて、各所得にかかる税金を1つずつ見ていきます。まずは、預貯金や債券等の運用で手に入る、もっとも身近な不労所得な「利子所得」にかかる税金から見ていきましょう。

利子所得・・・預貯金の利息や債券の利子、公社債投資信託などの利子

現在銀行預金にはほとんど利息がつきませんよね。しかし、ほんのわずかな利子であっても税金はかかります。また、個人向け国債などに代表される債券の利子についても課税されます。公社債投資信託は、投資対象が債券のみで、株式が組み込まれていない投資信託のことを指し、実質の中身は債券になりますから、こちらも利子所得として計算しなければなりません。

(参考リンク)

・国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」(外部リンク)

利子所得の税率と課税方法

20.315%の申告分離課税で、受け取った利子がそっくりそのまま収入として計算されます。他に収入があったとしても、別勘定として税金を支払います。例えば個人向け国債を100万円分買って、500円の利子収入があったとしたら、その500円に対して課税されるという仕組みですね。

税金の申告方法

利子所得は源泉徴収されますので、確定申告の必要はありません。個人向け国債の利子を受け取る時、すでに税金は差し引かれています。公社債投資信託の場合も、源泉徴収ありの特定口座内で買付け、保有していた場合に限り確定申告は必要ありません。源泉徴収がされない口座内で保有していた場合は、確定申告が必要です。

 

では、株式の配当金等にかかる税金についても確認していきましょう。

配当所得・・・株の配当金や株式投資信託の分配金

株式を保有していると、配当金が支払われたり、投資信託においても分配金が出るものがありますよね。それらに対しても課税されます。株式投資信託とは、投資対象の一部以上に株式が組み込まれた投資信託のことを指し、この場合は配当所得として課税対象になります。

課税方法は源泉徴収か申告分離課税、もしくは総合課税から選択

課税方法は以下の3つから選択することができます。

①、源泉徴収(原則確定申告必要なし)

他の所得とは関係なく、別勘定で課税する方法です。税金は一律20.315%となっています。証券会社が税金の計算~納付まで行うため、ご自身で確定申告の必要はありません。配当を受け取る時、すでに税金分は差し引かれています。

 

源泉徴収を受ける場合、買付口座を源泉徴収ありの特定口座を選択しておく必要があります。すでに保有している株式が一般口座であったり、源泉徴収なしの特定口座である場合は確定申告が必要となります。特定口座内で保有していた商品同士で損益通算をすることも可能で、還付される税金があった場合は証券会社を通して戻ってきます。

②、申告分離課税(申告納税)

税率は源泉徴収と同じく20.315%ですが、ご自身で納税が必要です。他の所得とは別で計算します。株式取引などで損失がある人や、配当所得を合わせた課税所得が695万円を超える人は、申告分離課税が有利です。次の総合課税を選んでしまうと、20.315%よりも高い税率で納税が必要となるので注意が必要です。

③、総合課税

配当以外の他の所得とも合わせて税金を計算する累進課税です。所得が多くなればなるほど税率が高くなります。(15%~55%)配当所得を含めた課税所得が695万円以下の人は、総合課税で確定申告すると税金の払い過ぎを防ぐことができます。給与所得や配当所得を合わせた金額が695万円以下では、配当所得に対する税金が下がる総合課税を選んで確定申告すると、配当控除を受けることができますが、反対に確定申告をしないと税率は20.315%のままで過払いとなります。

 

また、主婦(主夫)や学生で配偶者控除や扶養控除の対象となっている人のうち、配当所得以外に受け取る所得がなく、株式取引で出た利益や配当所得が合わせて38万円を超えない場合も総合課税を選択した方が税金の過払いを防ぐ効果があります。

(参考リンク)
・国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」(外部リンク)

株式の売却益が出た場合は申告分離課税

配当は、保有期間中、定期的に受け取る利益(収入)でしたね。売却益は、株式を売った時に利益が出ていた場合です。譲渡益とも呼びます。売却益の課税方法ですが、無条件に申告分離課税で20.315%が課税されます。総合課税は選択ができませんので留意が必要です。

 

では次に、不労所得の王道とも言える不動産収入にかかる税金について説明していきます。

不動産所得・・・不動産を売却した時に得る利益や家賃収入等

ワンルームマンション投資などに代表される投資目的の不動産所有。現在の日本では低金利で融資を受けられることから、サラリーマンの方であっても投資目的で保有している人が増えています。

不動産所得の税率と課税方法

税率は総合課税で、他の所得と合算されて計算されます。累進課税ですので所得額が大きくなればなるほど税率は高くなり、最高55%です。(内10%は住民税)不動産購入に際してかかった購入費や登録費、修繕費等のコストを引いた額を課税対象の収入として計算します。

一定の条件を超えると、不動産所得は事業所得に

しかし、以下の条件に当てはまると、不動産事業を行って収入を得ているとみなされるため、不動産所得ではなく事業所得となります。

 

事業所得となる条件

  1. アパートなどの場合は、独立した部屋が10室以上であること
  2. 一軒家などの独立した家屋については5棟以上であること

 

サラリーマンとして会社に勤務しながら、ワンルームマンション投資をする場合などは、不動産所得に当てはまると考えて良いでしょう。もし保有する不動産が複数にわたる場合は、事業所得として課税される場合があります。

(参考リンク)
・国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)(外部リンク)

事業所得・・・ブログ、アフィリエイト等

国税庁の説明によると、事業所得は農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営む人がその事業から得る所得のことを指します。その所得によって生計を立てているケース等が当てはまるでしょう。

事業所得の課税方法

税率は総合課税で、他の所得と合算されて計算されます。累進課税ですので所得が多くなればなるほど高くなり、最高55%です。(内10%は住民税)勤務している会社から給与を受け、さらに副業で収入を得ている人もこの事業所得に当てはまりそうですが、実際は、次の章で説明する雑所得との区別化が図られています。

事業所得と雑所得の違い

区別するポイントとしては、以下の6つの点から、事業所得に計上できるのかどうかを判断します。事業所得と雑所得では税制に違いが有るので、ご自身がどちらで確定申告をすべきかしっかり判断する必要があります。

 

事業所得と雑所得を区別するポイント

  1. 営利性や有償性があるかどうか
  2. 継続性や反復性があるかどうか
  3. その所得を得るにあたって費やした精神的及び肉体的労力がどの程度なのか
  4. 人や設備を使って所得を出したか
  5. 取引の目的はどういったものなのか
  6. 所得を得た人の職歴や社会的地位、生活の状況

 

節税効果が高いのは雑所得よりも事業所得

また、事業所得として確定申告をすると、雑所得として確定申告をしたケースよりも税制が有利になることがあります。この場合は青色申告者として少々手間はかかりますが、詳細な税申告が必要です。

 

事業者所得として確定申告をするメリット

  • 他の所得との損益通算
    →副業で損失(赤字)が出た場合に、その損失分を他の所得から引いた金額を課税対象とできる
  • 青色申告特別控除
    →最大で65万円まで控除を受けることが可能
  • 青色事業専従者給与
    →家族を従業員とした場合、家族に支給する給与も必要経費として参入できるために課税される所得額を低くできる
  • 純損失の繰越しと繰戻し
    →損失を以降3年間繰越し、または前年の所得から差し引いて還付を受けることができる
  • 30万円未満の少額減価償却資産の特例
    →事業を行うにあたって必要なもの(コンピューター等)を購入または使用開始した年度に一括して経費として計上できる。(1つまたは1組30万円未満のものに限る)

 

判断基準はたくさんあるものの、当てはまる項目もあれば、そうでないものもというケースもありますよね。実は事業所得と雑所得の区別は明確になっているわけではないので、どちらに該当するのかわからない場合や、曖昧であると感じる場合は税務署に問い合わせが必要です。さらに、事業所得とする場合は、個人事業主としての開業届を提出する必要があります。

(参考リンク)
・国税庁「 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(外部リンク)

 

では次に、事業所得としては認められない場合の所得である雑所得について確認していきましょう。

雑所得・・・継続性のないブログ・アフィリエイトでの収入、FXや仮想通貨、年金

それだけで生計を立てられるような規模ではないものの、何かの見返り収入として受け取ったものは雑所得に計上されます。たとえば、以下の様なものなどが挙げられます。

 

雑所得の一例

  • ブログやアフィリエイトでの収入
  • FXや仮想通貨などでの利益
  • 友人へ貸していたお金の利子

 

また、年金も雑所得の扱いになります。(障害年金及び遺族年金は非課税)

雑所得の税率と課税方法

税率は総合課税で、他の所得と合算されて計算されます。累進課税ですので所得が大きくなればなるほど高くなり、最高55%です。(内10%は住民税)収入を得る課程で必要経費としてコストがかかっていた場合は、その金額を差し引いたものが雑所得の課税部分となります。年金の場合は、受け取った年金額から控除額を引いたあとの金額に対して課税されます。年齢や収入金額によって控除額は異なります。

 

公的年金等の課税関係

(引用)
・国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」(外部リンク)

 

雑所得は原則総合課税となりますので、他の所得と合わせて税金の計算が必要となります。ちなみに雑所得があっても、会社勤めの方で雑所得が年間20万円に満たない場合は確定申告の必要がありません。

FX、先物取引、仮想通貨の課税方法は異なる

・FXと先物取引
―分離課税で確定申告が必要。(税率は20.315%)
・仮想通貨
―総合課税で他の所得と合算した額に課税される。(税率15%~55%)

事業としてFXや先物取引、仮想通貨の取引を行っている場合は事業所得となることもありますが、個人的な範囲で行う分には雑所得の課税対象です。

一時所得との違い

ここで、よく雑所得との差別化が難しいと言われる一時所得についても触れていきます。一時所得に属する所得は、主に以下のとおりです。

 

一時所得の例

  • 懸賞金
  • 競馬などの当選金
  • 保険金などの満期返戻金や一時金
  • 報酬ではない謝礼金

 

雑所得は事業までの規模とはならないものの、なにかを行って報酬的な目的があって得た所得になります。なんとなくイメージがつきましたでしょうか?

(参考リンク)
・国税庁「 No.1500 雑所得」(外部リンク)

節税効果が高いのは?個人VS法人

基本的には、法人で申請をした方が「経費」として収入から引くことができるものが増えるのでお得であると言えます。わかりやすく不動産所得を、事業的な規模(法人)で行っている場合と、個人で行っている場合とで比較して解説致します。

家のことと関連するものは経費にすることが難しい

法人で経費として落とせる代表的なものが、車のガソリン代です。一人暮らし用の賃貸住宅や中古物件の購入など、不動産をいくつかの候補の中から選ぶシーンでは、不動産屋さんが車で何軒か回ってくれることが多いですよね。そういった場合のガソリン代はもちろん業務で必要であるから使用しているわけで、遊びに行くために使っているわけではありません。

 

ところが個人の場合、仕事と関連して車を使用していることがほとんどだとしても、税務署は経費として認めてくれることは少ないでしょう。なぜなら、本当に業務で必要であったからガソリン代がかかったのか、それとも買い物など日常生活で使用したのかの線引が難しいからです。

 

このように、はっきり業務で使った必要経費であるということを証明することが難しい場合、経費として収入から引くことはできません。(認められても全体の数%程度のことが多いようです。)反対に、法人の場合は法人名義での領収書を提出するので、もし業務と関連しないガソリン代であったとしても、税務署は主張をはねることがなかなかできません。(もちろん限度はありますが)では、個人だと節税することは難しいのでしょうか?

不労所得にかかる税金の過払いを防ぐためにできること

税務署の役割は国民から税金を集めることです。基本的に払いすぎてしまった税金があったとしても、手を上げて申告・相談しない限りは戻ってこないと考えましょう。

損益通算をする(配当所得)

配当所得で利益が出ていたものの、株式取引の譲渡損失が出ていた場合など、同一の特定口座内(源泉徴収あり)で保有しているものであれば、証券会社で損益通算をし、払い過ぎていた税金を戻してくれます。しかし、複数の証券会社の異なる特定口座間での損益通算には確定申告が必要となっています。特定口座が複数あり、損失が出ている取引がある場合は損益通算をしましょう。意外と見落としていることがあります。

(参考リンク)
・国税庁「 No.2250 損益通算」(外部リンク)

青色申告制度の活用(事業所得、不動産所得)

事業所得で課税されるのは、総収入ー経費で残った部分になります。しかし、青色申告制度を活用すれば、ここからさらに65万円の控除を受けることができるので節税につながります。青色申告制度を活用するには、新規事業の場合は開業から2ヶ月以内に、すでに事業を始めている場合は、青色申告制度を利用しようと考えている前年の3月15日までに税務署へ青色申告承認申請書を提出しなければなりません。

 

青色申告制度を使用するためには、詳細な帳簿付けが必要であることから少々手間はかかりますが控除額が大きいので活用すべきでしょう。申告の期限を過ぎてしまったり、一定の条件をこなせないと控除額が65万円から10万円までダウンしますので注意が必要です。

種類別!不労所得にかかる税金まとめ

不労所得として主に上げられるのは、以上5つの所得でした。またそれぞれの所得ごとに課税方法が異なったり、所得の金額によっても税率が上下することについてもご説明致しました。

 

不労所得の例

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 雑所得

 

サラリーマンなど、普段確定申告に慣れていない方でも所得を種類別に把握できれば申告は簡単です。税金の払い過ぎはもったいないですから、ご自分の状況と合わせて納税方法も選択できるとさらに良いでしょう。

 

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