初心者が株式の買い方をマスターするのは難しい?

株式投資
証券会社で勤務していた頃、「初心者に株はリスクが高い」「そもそも株の買い方がわからない」と、株式投資に対して否定的な考えをもったお客様が多くいらっしゃいました。

 

株というだけでギャンブルに感じてしまったり、「損をしてしまったらどうしよう」と考えると始めるのも億劫になってしまいますよね。しかし、超低金利の日本で今後も生活していくためには、資産運用が必要不可欠であり、その運用方法のうちのひとつが株式投資です。

 

ここでは株式取引について、口座開設から買い方まで元証券ウーマンが初心者の方でもわかりやすくご説明致します。銘柄の選び方や、気をつけたい買い方についてもご紹介しますので「どんな会社の株を買ったらいいの?」迷える初心者の方は必見です。

 

実は銘柄の選び方って「安いか高いか」以外にも沢山あって面白いですよ!まずは株式取引に必要な証券口座の開設から行っていきましょう。

はじめのステップ。証券口座の開設

株式は証券取引所で取引がされていますが、個人が直接この取引所で売買をすることはできません。私たちの注文は証券会社が仲介となって引き受けてくれます。

対面取引?ネット取引?

株をはじめる際に必須な証券会社での口座開設ですが、日本には現在260社を超える証券会社があります。どこで口座開設をすれば良いのか迷ってしまいますよね。

 

証券会社には主に担当者との対面取引や電話問い合わせが可能な店舗型証券と、ネットでの取引がメインのネット証券があります。

 

店舗型の強みは豊富なマーケット情報と、わからないことを聞ける体制にあります。顧客ひとりひとりに担当者がつくので、付き合いが長くなれば好みや傾向に応じて投資助言をしてくれます。また、店舗型であってもオンライン取引を取り扱う証券会社がほとんどです。わざわざ証券会社に出向かなくともネットでの取引が可能となっています。

 

ネット証券は手数料の安さが魅力的です。担当者がいないため投資相談等はできませんが、株式取引を頻繁に行う予定であれば、手数料の安いネット証券がおススメです。情報収集と運用方法を自分で決める自信がある方はネット証券で十分でしょう。

 

どちらの証券会社であっても「証券総合口座」というものを開設することになります。証券総合口座とは簡単にいうと、証券会社が預かっている顧客の資産を管理し、どのような取引をしたか定期的に報告してくれるという口座です。

 

さらに、証券総合口座内でも税金の納め方に違いがあります。初心者の方や「確定申告なんてややこしい」という方であれば 特定口座(源泉徴収あり) を選択することをおススメします。

 

 

特定口座
引用:>>湖東信用金庫ホームページ 特定口座(外部リンク)

 

証券総合口座の口座開設料と口座管理料は無料である場合が多いので、口座を使い分けることも可能ですが、ひとつ気を付けなければならない点があります。

NISA口座とは?

証券総合口座とは別にNISA口座も希望であれば開設が可能となっています。

 

NISA口座とは、株式取引等で出た利益にかかる税金がゼロになる口座です。日本政府は、国民の眠った莫大な預金を少しでも投資に回し、資産形成の支援や促進のきっかけとするためにNISA口座を作りました。

 

通常の特定口座もしくは一般口座では、売却時に利益が出ていたり、受け取った配当金に対して税金がかかります。税率は現在20%(復興特別所得税*を含めると20.315%)となっており、どんなにわずかな売却益や配当であっても課税されます。

 

※復興特別所得税とは
東日本大震災時に被った被害の復興に充てられる財源を確保するために2013年1月1日に設定された税金です。2035年までの25年間この税制が続く予定です。

復興特別所得税について詳しく知りたい方は、国税庁のホームページ「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために 必要な財源の確保に関する特別措置法に係る所得税の取扱い (復興特別所得税の取扱いについて)(情報)」にて確認ができます。
>>国税庁HP 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために 必要な財源の確保に関する特別措置法に係る所得税の取扱い(外部リンク)

 

NISA口座はひとりにつきひとつまで開設可能な口座であり、複数の証券会社や銀行に口座があったとしても、どちらで開設をするか選ぶ必要があります。開設する金融機関はお好みでと言いたいところですが、銀行では株の取り扱いがないため、証券会社で開設することをおすすめします。各取扱商品は異なりますのでもし買いたいものがあれば取扱販売店を確認して開設しましょう。

 

またNISA口座には現在通常のNISA口座と、2018年より新たに「つみたてNISA」という制度も始まりました。NISAとつみたてNISAのうち、どちらか一方のみ開設が可能です。

 

NISA

引用:>>野村証券ホームページ NISA(外部リンク)

 

株式で非課税枠を使用する場合はつみたてNISAではなく、通常のNISA口座の開設が必要となりますので注意しましょう。

 

口座開設の説明が長くなってしまいましたが、ここからいよいよ株の買い方についてご説明致します。

初心者向けの選び方

買いたい株が決まっていれば簡単ですが、決まっていない場合はどんな株を買うか考える必要があります。

興味のある業界の株式を買ってみる

「一体どの銘柄を買えば良いかわからない」という場合は、自分の勤務先や取引先に馴染みの深い業界からピックアップしても良いでしょう。

 

どんなイベントがあれば会社の業績が上がるのかを身をもってすでに経験し、知っているからです。例えば、国が介護事業に力を入れると発言したら介護関連会社の株があがります。介護関連にとって良い材料だからです。所属する業界がどんな流れの中にいるのかを肌で感じることができるので、株価を追いやすくなります。

おまけも大事?

気になる銘柄が複数あって「すべて買うわけにはいかない」という場合には、おまけの豪華さで選んでみても良いかもしれません。

配当

会社は株主に株を買ってもらい、資金を調達し、会社を成長させていきます。資金調達にだけ株主を使っていたら、株主もあまりいい気分ではないですよね。ですから、何らかの形で株主が利益を得るシステムでないと、誰も株を買ってくれません。

 

なので会社は株主に決まった日に配当金を渡すというシステムを作り、株主に利益を提供することにしました。配当金の設定は会社ごとに異なりますが、高配当の株は常に人気が高いです。

 

高配当株として有名な会社 2019年7月19日の終値 配当利回り
7201 日産自動車 746.6円 7.45%
2914 JT 2,452.0円 6.28%

 

7201日産自動車を7月19日に買ったとしましょう。

 

日産自動車の単元株数(最低取引に必要な株数)は100株ですので、購入価格は手数料を除いて76,460円となります。配当の計算は購入価格×配当利回り率で計算をします。

 

この式に当てはめると、76,460×7.45%=5,696で年間の配当は約5,696円となります。

 

もちろん売却をした際に価格が下がっていれば損失となりますが、株式を手放さない限り配当が見込めますので、うまく利用して利益を生み出すことができます。

 

また、株式の中には無配当という配当を一切出さないものもあります。配当を出さないのはその会社が「ケチだから」という理由訳ではなく、配当に回す分の資金も会社の成長のために投資したいという意向です。マイクロソフトやライブドアも無配当株として有名でした。

 

このような無配当株は配当収入が得られませんので、売却時にどれだけ値上げしたかが重要になってきます。今後の成長が十分見込まれるような企業であれば、無配当株を買っても良いかもしれませんね。

株主優待

また、株主優待の豪華な企業も人気です。ギフト券・QUOカードや、自社製品の詰め合わせを優待としている会社が多いです。

 

会社名 株主優待の内容
2897 日清食品HD 自社製品詰め合わせ
9202 ANAHD 国内線搭乗50%割引、関連施設利用・ツアー優待等

 

 配当や株主優待を受け取るためには:

3月期決算企業で配当や優待を受ける場合、3月31日が金曜日なら、29日の水曜日までに株を買っておく必要があります。株を買った日=株主になった日ではなく、株を買った日(約定日)から3営業日目(受け渡し日と呼ぶ)に株主となります。”営業日”という言葉を使っているので、土日祝日や年末年始(12月31日~1月3日)はカウントされません。逆算する際には気を付けましょう。

企業によって権利確定日は異なりますので、配当や優待を受けたい場合はしっかり確認しましょう。

割安株を探す

割安株とは、会社の評価が株価に反映しておらず、安いまま放置されている株のことを言います。バリュー株も全く同じ意味で使われます。しかし、割安株を探し出すのはそうそう簡単なことではありません。

 

割安で放置されているのには理由があることが多いです。

 

例えば、

 

  • 今後の業績見通しが良くない
  • 企業が沢山の負債を抱えており、確実に返済できるかが不確実である
  • 経営方針がよくない

 

など、多くのことが理由としてあげられます。今は安くなっているけど、今後上がる可能性があるのかといった点に関しては深い分析が必要です。

 

よって、株の投資がはじめてという方は、まず株式投資とはどういったものなのかを肌で感じるためにも、興味がありよく知っている業界の中から銘柄選定することをおススメします。

買い方には2つの方法がある

さて、買いたい銘柄が決まったらさっそく買ってみましょう!

 

店舗型証券で担当者とやりとりをしたい方は、口座開設をした支店に電話をかけてみましょう。注文に際してわからないことがあれば丁寧に説明してくれますし、まだ銘柄を迷っている場合であれば比較をしながらおすすめしてくれます。

 

買付け予定銘柄の値段や最近の値動き、その企業に大きく影響のありそうな報道等があればそれも教えてくれます。店舗型証券のオンライン取引や、ネット証券を通して注文をする場合は画面に沿って進めていってください。

 

購入希望の株式を選択し、買いたい株数を指定します。銘柄ごとに売買単位が決まっており、100株もしくは1000株から取引が可能となっています。

 

銘柄と株数を指定したら、注文方法を以下のどちらにするか決めます。

成行き注文

値動きを見ながら自分のタイミングで買うのではなく、その場の値段で買う注文方法です。平日の15時過ぎや土日祝日に注文を出した場合、翌営業日の取引開始時(寄付き)に買うことになります。

 

成行きの注文が一体どのようなものなのか、下の「板」とよばれる注文票を見ながら説明していきます。

 

とある会社の株を5,000株成行で買い注文を出そうとします。

 

株板

 

この時点で買いの気配値(買いの取引価格)は100円です。

 

しかし、100円で売られている株は1,000株しかありません。5,000株買うとなると、101円で3,000株、そして102円でも1,000株を買って計5,000株を買うことになります。

 

そうすると株の取得価格は、

 

1,000株×100円
3,000株×101円
1,000株×102円
=505,000

 

これを5,000株で割ると買いの取得価格が101円と平均化されます。

 

先ほど見た価格よりも少し高く買ったことがわかります。この程度の小さな価格差であればあまり気にしなくても良いですが、売買高(取引の量)が少なかったり、大量に買おうとすると見ていた価格と差が出ることも珍しくありませんので、注意が必要です。

 

株板

 

よくみると上記の板では、100円の次に安く売られている株が119円となっています。

 

板をよく見ずに5,000株の成行き買いをした場合、

 

1,000株×100円
3,000株×119円
1,000株×120円

 

となり、取得価格が115.4円と大幅に上がってしまいます。

 

買うときは基本的に「安く」仕入れることが大事ですから、思ったより高く買ってしまったとならないよう板をよく見ましょう。「成行き買いは心配」という方には、次の注文方法をおススメします。

指値注文

価格を指定して注文(予約)する方法です。もう少し安いところで買いたい時や、成行きで買うと価格が高くなってしまう恐れがある時などに使用します。

 

指値注文をする場合は期限を設定します。期限は当日中でも、今週中といった設定でも大丈夫です。

 

株板

 

この時点の価格が100円。例えば5,000株の買いを93円で指定します。元々、板には誰かが先に注文した2,000株がありましたので、そこに自分の注文である5,000株を足すと7,000株の買い注文(予約)が入ったことがわかります。

 

指定した期限内にその銘柄に93円がつけば、約定となります。

 

一時的にでも93円がついているのに買えていない場合は、先に注文していた2,000株の予約分のみが取引されたことを意味します。また、5,000株全てではなく一部だけ約定する可能性もあります。

知っておきたい!分散投資の方法

ここで、株の買い方の基本「分散投資」について触れておきます。株の買い方を分散させることには2つの種類があり、一つは購入する銘柄を分散させること、もう一つは購入するタイミング(時間)を分散させることです。

 

株式投資では、投資した株がその後、値上がりするか値下がりするか分かりません。値上がりを期待して購入した株が値下がりして損失が発生することなどは日常茶飯事です。このリスクに対応するために、購入する対象である銘柄と購入するタイミングを分散させるのです。

 

投資対象である銘柄を分散させる株の買い方は広く知られていますが、購入するタイミングを分散させる株の買い方は、知らない初めての方も多いようです。例えば、これからこの企業の株価が上がる!と予測して購入したとしても、本当にそれから上昇するのか、それとも下落するのかは誰にも分かりません。そのため購入するタイミングを、1回ではなく複数回に分けられると良いでしょう。

 

株式投資の基本ともいえる「分散投資」は、リスクを抑えた投資を行いたい方は常に心のどこかに留めておけると良いですね。

どのタイミングで売れば良い?

買った後はどこかのタイミングで売り注文を出さなければいけません。

 

  • 目標の株価に達したとき
  • 下がってしまい、これ以上のマイナスを出したくないとき

 

などが挙げられます。人間は欲張りな生き物ですから「まだ上がるかもしれない」「もう少し待ってたら上がるかも」と期待を抱いてしまうことが多いですが、購入時に上も下も目標価格を決めておきましょう。

売り注文の出し方

買い注文時と仕組みは同じです。売却する株数と、注文方法を指定します。

 

もし、複数単元(最低取引量が100株だった場合、200株以上)持っている場合は、一部のみを売却して利益確定させ、残りは様子を見てみるなど、選択肢に幅が生まれます。

正しい買い方で株を始めてみよう

銘柄の選び方と注文の仕方についてご説明差し上げました。銘柄選定の幅を広げるためには、もっと専門的な知識や投資の経験値が必要です。

 

まずは株式投資がどんなものなのか?を知るために、良く知っている業界や自分が期待している会社の中から銘柄を選ぶことをおすすめします!

 

もちろん元本保証のない金融商品ですので、間違っても借金をしてはじめるようなことは避け、当分使用予定のない余剰資金ではじめましょう。

 

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