バランスの良い資産運用を叶える分散投資とは?

分散投資
銀行に預けていても増えないし、そろそろ資産運用をしないとと考えている方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
しかし資産運用や投資というと、リスクや損失等のネガティブな考えがよぎりますよね。

資産運用はバランスの良いポートフォリオを用いて分散投資をすることで、程よいリスクを負いながら適切なリターンを得られる可能性が高くなります。資産運用と分散投資はセットで語られることが多いですが、分散投資をすると具体的にどのような効果を得ることができるのか解説致します。

この記事の要点

・分散投資をすることで大きな値動きを抑制し、安定的な資産運用が可能
・相関係数を理解して意味ない分散投資を避ける

分散投資とは

まずはじめに、分散投資を用いた資産運用がもたらす効果から見ていきましょう。分散投資は、簡単かつ、資産形成に絶大な効果をもたらしてくれます。

分散投資がもたらす効果

  1. リスクとなる要因をあらかじめ分散
  2. 大きな値動きを抑制

1、リスクとなる要因をあらかじめ分散

たとえば株式会社Aの株式を1000株持っていた場合と、株式会社Aをの株式を100株と、その他複数の会社で残りの900株を保有していた場合、A社がつぶれてしまったときに受ける影響は前者の方が大きいですよね。

  保有している株
太郎さん A社のみ1000株
花子さん A社100株 B社100株 C社100株・・・計1000株

太郎さんはA社がつぶれて株式が紙切れになった場合、投資資金はゼロになります。しかし花子さんはA社100株分はなくなっても、他の株式を保有していたために影響は限定的です。このように分散投資をしておくことで、あらかじめ1つの資産に対するリスクを軽減することが可能です。

2、大きな値動きを抑制

互いに同じような動きをする商品同士を組み合わせたところで値動きは同じようになり、分散投資の効果はあまり見られませんが、異なる値動きをする傾向にある商品同士を組み合わせることで大きな値動きを抑制させ、案敵的な資産運用を図ることが可能です。

大きな値動きを抑制

商品同士を組み合わせる割合にもよりますが、2つの商品を50%+50%で分散投資した場合、互いに引っ張り合う動きになるので分散投資したものの値動きは限定的になります。

 

この場合はわかりやすく2つの商品で比較しましたが、実際に分散投資を用いた資産運用をする際は、もっと多くの商品に分散投資することになるでしょう。分散投資のしすぎで逆に資産運用が上手く行かなかったり、意味のない分散投資では分散投資の効果が得られない可能性がありますので注意が必要です。

効果的な分散投資を用いた資産運用の方法については後の章で解説致します。まずは分散投資をする資産の対象にはどのようなものがあるのかご説明させて頂きます。ひとことに分散投資とは言っても、分散の仕方は様々で、分け方や割合によって分散投資の効果や最終的な資産運用のリターンに影響を与えます。

商品の分散

分散投資と言って思いつくのが、株や債券、金など色々な商品に分けて資産運用することではないでしょうか?

商品の分散

それぞれの資産は、同じような動きをするわけではなく、経済動向などによって異なる動きをすることが多いと言われています。例えば株式相場が上がるときには債券の価格が下がったりしますよね。このように分散投資する商品を複数にすることで、異なる資産同士の値動きの違いを利用し、価格変動のリスクを軽減した資産運用が可能です。

全体の資産に対して、資産ごとの分散投資の割合をかえることで、資産運用の利回りやリスクを上下させることができます。

 

さらに資産は日本だけではなく、世界中の影響を受けて動いています。日本の資産だけに固めておくと、万が一日本に危機が起こった場合、資産運用に大きな損失が発生する可能性があるので、海外資産を保有することも分散投資においては大変重要です。

地域の分散

商品は日本にだけ存在するわけではありませんから、地域ごとに分散投資させて資産運用することも容易です。日本人が円を含む日本の資産を用いて資産運用をするのは当たり前と言えるでしょう。
この記事をお読みになられている大半の方は、日本に居住し、日本円を主な決済手段として使用するからです。いくら海外の資産に投資しようが、最終的には日本の円に換えることがほとんどだと思います。

また、日本の資産は海外からすると安全資産と言われ、なにか起こった時に買われるものが日本の円です。アメリカドルが下がると円高が引き起こされることが多いです。

 

投資対象は日本だけに限らず、世界中に存在し、国の政策や状況、為替の動き等、様々な要因によって資産の価値もそれぞれ上下します。貿易依存度が高かったり、関係性が濃い国同士だと同じような動きをすることもありますが、そうではない国同士を組み合わせて投資することで、下がった国の資産を保有していたとしてもカバーし合うことができます。

国内資産をメインにしつつ、海外資産も一緒に持ち合わせることでカバーし合いながら資産運用をすることが可能です。

時間の分散

商品や地域における分散投資の他に、投資のタイミングをずらすことで時間も分散させることが可能です。それぞれの資産はその時の状況によって様々な値動きをするため、投資したタイミングが悪ければその後下がり続けることも十分に起こり得ます。これを避けるために行うのが時間の分散です。

時間の分散

一度に大量買いするのではなく、複数のタイミングで少量ずつ買い付けます。これを行うことで、取得価格の平均化が可能で、高いところで買ってしまうというリスクを避けることができます。この効果をドルコスト平均法とも呼びますが、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?大きな額の損失を避けるためによく使われる分散投資の方法です。

分散投資とは言っても、分散する対象は色々あるということをおわかり頂けたかと思います。資産運用と分散投資はセットで語られることが多く、重要性については既にご存じの方が多いと思いますが、適切な分散投資を用いた資産運用が出来ている人は意外と少ないと言われています。その理由を次の章でご説明致します。

分散を用いた資産運用のデメリット

分散投資がしっかり出来ている人が少ないのには、以下の2つの理由が挙げられます。

分散を用いた資産運用のデメリット

  1. 大きなリターンを狙うのには向かない
  2. 管理が面倒

まずは、分散することによって狙い通りのリターンに届かない可能性が出てくることについてご説明致します。

1、大きなリターンを狙うのには向かない

分散投資することによって、資産の減りを予防すると同時に、資産の増加ついてもブレーキをかけてしまいます。株式投資をしてとある銘柄が大きく上昇した場合、その株式に資産の50%を投資していた人と、10%投資していた人では入る利益が異なりますよね。当たった場合は集中投資の方が利益率が高くなるので、分散投資をしたことにより資産運用効果が半減します。

このように資産運用で大きなリターンを狙う人にとっては、分散投資が足手まといになる可能性があります。リスクを負って、積極的に運用リターンを狙っていきたい人には、分散投資ではなく集中投資をおすすめします

2、管理が面倒

分散投資=保有する商品が多くなりますから、その分管理に手間がかかります。日中働いている方は、相場を見る時間等もほとんど無いでしょうから特に難しく、売却すべきタイミングを逃すこともあるでしょう。そうなってくると、資産運用自体が億劫になってしまう可能性があります。

簡単に分散投資をしながら効率よく資産運用をする方法も存在しますので、次の章でご説明差し上げます。

気軽に分散投資を叶える方法

時間の無いサラリーマンや主婦(夫)の方でも手軽に分散投資をすることが可能です。

インデックス型投資信託

インデックス型投資信託とは、日経225やTOPIX、S&P500等の指数に連動するよう組成された投資信託です。日経平均株価(日経225)を動かしているのは、名前の通り225の銘柄ですが、この225の銘柄を同じような割合で組み入れたのが日経225に連動するインデックス型投資信託です。

中身は225の銘柄ですから、それだけで国内株式の分散投資が図られています。短期的に見ると株式相場は大きく値動きしているように見えますが、長期的に見るとじわじわ成長している指数がほとんどです。

日経225の10年の推移を見てみましょう。

日経225

(引用)
・Yahoo!ファイナンス「日経平均株価」(外部リンク)

 

S&P500もじわじわと値を上げていることがわかります。

S&P500

(引用)
・Yahoo!ファイナンス「S&P 500」(外部リンク)

 

このようにドカンと値上がりすることは無くても、長期的に見ると緩やかに右肩上がりの線を描いています。短期的な売買は行わず、気長に保有することが出来るので、インデックスファンドを複数保有するだけで時間のない方も気軽に資産運用できるでしょう。

また、国や商品をわけてインデックスファンドで運用することで国内・国外の資産に分散投資することが叶います。インデックスファンドは手数料が安いことも資産運用を長期的にするうえで重要なポイントです。

バランス型投資信託

バランス型の投資信託は、インデックスファンド(日経225やTOPIX、S&P500等の指標に連動するように作られた投資信託)を組み合わせて組成されており、1つで複数のインデックスファンドを保有する効果があります。1つだけで分散投資が叶うのはかなりありがたいと言えるでしょう。

日経225では日本の株式だけでしたが、バランス型投資信託を保有することで債券や金、REIT(不動産)等の他の商品はもちろんのこと、海外資産も保有する効果があります。バランス型投資信託では、あらかじめ資産ごとに割合を決めておき、上限を超えると売って利益に、反対に割合が下がっているもの(価値が落ちているもの)を買います”リバランス”という作業が行われます。

インデックス型投資信託も長期保有が基本ですから頻繁に売買することはありませんが、バランス型投資信託であれば、高くなっているものを売って、安くなっているものを買います作業を代わりにしてくれるので、忙しい人の味方になってくれるでしょう。

分散投資を用いた資産運用は意外と簡単に出来ることがおわかり頂けたかと思います。もう1点ポイントだけ押さえられれば、無駄のない効果的な分散投資が可能です。

相関係数を理解し、意味ない分散投資を避ける

商品同士を比較すると、同じような値動きをするペアと、そうでない全く関係のない動きをするペアがあります。相関係数が高い商品Aと商品Bでは、商品Aの値段が上がると、商品Bも同じように上がり、反対に相関係数が低い商品同士だとシーソーのように反対の動きをします。相関係数は1から-1までの範囲で表されます。

相関係数

1に近づくペアほど同じような動きになり、-1に近づくほど逆の動きをする傾向が高いと考えられます。間の0ではペア同士の動きには関連性がないとされます。

相関係数が低い有名なペアが株式と金ではないでしょうか。株式が上がると金が下がり、反対に金が上がると株式が下がる傾向にあります。

相関係数で検証

(引用)
・QUICK「金との組み合わせ投資は有効か? 相関係数で検証」(外部リンク)

 

金と国内株式を組み合わせて分散投資した場合、2つの商品のほぼ中央で動いていることが分かります。株式だけで資産運用したり、金だけを保有するよりも、2つ一緒に資産運用した方が値動きの幅が狭まるということですね。

その他の商品同士の相関係数についても見てみましょう。

相関係数で検証

(引用)
・QUICK「金との組み合わせ投資は有効か? 相関係数で検証」(外部リンク)

 

上記の図で緑になっているもの同士ばかりを組み合わせて資産運用すると、相関係数を無視することになり意味ない分散投資になりかねません。意味ない分散投資を避けるためにも、相関係数を理解して資産運用するよう努めましょう。相関係数もあくまで過去のデータではありますが、歴史的な事実ですから、分散投資に活かすことで資産運用をより効率的に行うことができます。

続いて、資産運用や分散投資をもっと深く理解したい方や、自分で一から分散投資をやってみたいという方におすすめの本をご紹介致します。

資産運用に役立つ書籍

今回ご紹介する、資産運用に役立つ書籍は以下の2つです

資産運用に役立つ書籍

  1. ウォール街のランダム・ウォーカー バートン・マルキール
  2. マイナス金利にも負けない究極の分散投資術 朝倉智也

まずはインデックスファンド愛好者のバイブルとも呼べる1冊からご紹介致します。

1、ウォール街のランダム・ウォーカー バートン・マルキール

ウォール街のランダム・ウォーカー

こんな人におすすめ 資産運用初心者、インデックス投信を使って分散投資を行いたい人

すでに初版から半世紀が経とうとしているベストセラー。資産運用の書籍では常にランキング上位に位置します。短期的な予測は当たることがあっても、長期的にずっと当て続けることは個人でもプロでもほぼ不可能であることから、インデックス投資が最適な資産運用方法であるということを歴史的な事実をふまえて主張しています。

新しい資産運用の方法に人々が群がりバブルを形成するような異常な市場は、大きな損失を生み出してきた過去があり、安定成長を望むなら分散投資でインデックス投信を組み合わせたポートフォリオに基づき資産運用することが推奨されています。

個別の株式投資で資産運用するのが好きな方には向きませんが、インデックスファンドで確実性の高い資産運用をしたい人におすすめです。資産運用や分散投資初心者の方にも読みやすい1冊となっています。

2、マイナス金利にも負けない究極の分散投資術 朝倉智也

マイナス金利にも負けない究極の分散投資術

こんな人におすすめ 現代に必要な資産運用についてもっと理解を深めたい人、分散投資を実践的に学びたい人

投資信託の格付け等、資産運用・投資における情報提供をしているモーニングスター社の代表取締役社長を務める朝倉智也氏の書籍。分散投資を用いた資産運用をする人にはぜひ一度読んで頂きたい1冊です。理想の分散投資方法や、初心者でも簡単に実践できるインデックス投資信託の選び方などが紹介されています。分散投資をするにあたり一部に金を入れてポートフォリオを組むことを強く推奨しているのが、この著者の分散投資の特徴と言えるでしょう。

タイトルにもあるように、マイナス金利により私達の実質的な収入は減っていくため、相場環境に惑わされず長期の分散投資で資産運用をすることが自分の資産を守るためには必要ですね。

分散投資を一から理解したい人や、安定的な資産運用にはなぜ分散投資が必要なのかもっと理論的に理解したい人におすすめです。

バランスの良い資産運用をめざそう

ここまで説明してきた通り、効果的に分散投資をすることで、資産運用における”減る”リスクを抑えることが可能です。相関係数を理解し、意味ない分散投資を避けて賢い資産運用をめざしましょう。

超低金利の日本では、資産を守るための長期的な資産運用が不可欠であると言えます。安全・堅実な資産運用をするために適切なポートフォリオに基づく分散投資を心がけましょう!

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