知っておいて損はない!株式投資のアノマリー

株式投資のアノマリー

株式投資をしている方なら一度はアノマリーという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?どうしてそうなるか理由は説明できないけれど、経験則から多くの株式投資家がアノマリーを頼りに売買しています。

株式投資は理論だけでは語れない奥の深いものなのです。ここではカレンダー形式で株式投資に関連するアノマリーをご紹介した後、代表的なものをいくつかピックアップして信ぴょう性の検証を行っていきます。

編集部員
さくら
まずはアノマリーについてまだよく分かっていないという方向けに、アノマリーとは一体どのような現象であるのか始めに簡単にご説明致します。

この記事の要点

・アノマリーとは根拠はないけれど、なぜか予想した方向に動く現象。
・信憑性が薄いものもあることから、アノマリーに頼りすぎず、参考程度にとどめておくのがおすすめ。

株式投資におけるアノマリーとは

株式投資におけるアノマリーにはっきりとした定義は存在しませんが、根拠はないけれど、なぜか予想した方向に動く現象のことを指します。

アノマリーはあくまで経験則の域であるため、理論的には説明がつかないものの、いつしか株式投資家の間では頼りにされる目安となりました。有名なアノマリーでは、5月以降は下げ相場になるから売ってしまえという意味のセルインメイ等が挙げられます。

 

アノマリー(Anomaly)は、(基準や規則から逸脱した)例外・異例・変則などと訳されます。ようするに通常ではなく、あくまでも例外的な現象であるということですね。具体的な根拠はないものの、アノマリーにそって株式相場が動くことも多く、無視できないジンクスのような扱いになっています。

アノマリーを頼って株式投資をする人も大勢いることが、さらにそのアノマリーの存在感を高めていると言えるでしょう。株式投資家の心理は相場さえも簡単に動かしますから、株式投資をする上でアノマリーを知っておいても損はないはずです。

では株式投資に関連するアノマリーは具体的にどのようなものが挙げられるでしょうか。まずはカレンダー形式で時期別にご紹介致します。

時期別

まずは株式投資におけるアノマリーの代表格、1月効果からご紹介致します。

1月効果

大口投資家や機関投資家が年末に一旦区切りをつけて手仕舞いした資金が、1月になって株式市場にまた入ってくるために、1月は上昇しやすいというアノマリー。

年末までに損失を確定させ、節税対策をするために損切りをする株式投資家は多いですが、1月に入ってすぐ株式投資を再開させる人はさほど多くないので、信憑性としては微妙なところでしょう。

節分天井・彼岸底(せつぶんてんじょう・ひがんぞこ)

節分(2月)で天井をつけ、彼岸(3月まで)は下がり続けるというアノマリーです。1月効果や2月の決算発表前に株式投資が活発化し上昇していく相場はあながち間違いではありませんが、3月に入って配当金狙いの買いが入るために下落はそこまで大きくない傾向にあります。銘柄によっては優待需要なども高まりまるため、。

4月効果、新年度効果

彼岸底で売った資金の流入、さらに日本では4月からが新年度となりますから気持ち新たに株式投資をするために上昇するというアノマリーです。

5月上旬までは決算発表が相次ぐので、株式投資は活発化し株式相場のボラティリティ(変動幅)は大きくなると言われます。

GW相場

ゴールデンウィークは日本特有の連休ですから、日本で誕生したアノマリーの1つです。休場日が連続することによって、株式投資家達の意欲が削がれ、下落相場になるといわれています。

GWを挟んで売買高がだんだん薄くなり、方向感のつかめない相場になるため、この時期は慎重になる株式投資家が多いです。

セルインメイ

代表的なアノマリーの1つですね。5月はポジションを離せという意味のセルインメイ。株式投資において、1年のうち5月~10月が下落サイクル、11月から4月が上昇サイクルと言われます。

5月がちょうど下落サイクルに突入するタイミングであるために、Sell in May(5月に売れ)そしてその後にand go away, and come on back on St. Leger's Day.(レジャーデーに戻ってこい)と続くのが本来のセルインメイと言われています。レジャーデーは9月の第2土曜日に行われる大規模な競馬レースのことで、これが終わると冬の上昇トレンドに戻るとか。

夏枯れ相場

セルインメイで下落した相場に追い打ちをかけるようにやってくる夏休み。多くの株式投資家達の心理はおやすみ状態です。

このアノマリー通り夏は比較的出来高も薄く、株式投資は休戦状態がは8月頃まで続きます。

彼岸底

9月のお彼岸でも3月の彼岸底と同様に、株式相場が下落するというアノマリーがあります。3月と9月は日本企業の決算が相次ぐ時期ですから、決算前にじわじわと売りに出す株式投資家が増え、ちょうどお彼岸の時に底となることを指すアノマリーです。

欧米企業の決算は年末に多く見られるため、9月の彼岸底は日本特有のアノマリーと言えるでしょう。

11月の株高/ハロウィン効果

11月は株式投資が活発化し、株価が上昇するというアノマリー。セルインメイ(5月)で多くの株式投資家がポジションを無くし、再度株式投資に復帰し始めるのがハロウィンを堺にした11月と言われています。

11月は年末決算を控えた企業の決算予想などが大きく報道されるため、株式投資は活発化しやすいと言えるでしょう。

12月の株安

12月は株価が下がりやすいというアノマリー。

決算発表も終わってクリスマス~ニューイヤーのおやすみモードに入る株式投資家たちが目立ちます。1年間で出た損失を確定させて税金対策をする株式投資家も多いですから、売られやすいと言われています。

頻度の高いもの

カレンダー形式のアノマリーよりももっと短い間隔でやってくるアノマリーもあります。代表的なアノマリーをピックアップしてご紹介致します。

月曜株安

マンデー効果とも呼ばれるこのアノマリーは、名前の通り月曜日は株価が下がるというものです。金曜日の引け以降休日の間に悪材料が出て、月曜日の株価に影響することがよくあります。

日本に限らず米国など世界中で語られるアノマリーで、月曜日の安い株価をわざと狙って株式投資する人も多いです。

ゴトー日(5・10日)

5と10のつく日は、円安・ドル高になりやすいといわれるアノマリーです。

日本では経理的な処理を5日、10日、15日、20日、25日、30日のような5や10がつく日に行われることが多く、10日や25日に給与日が設定されている方も多いのではないでしょうか。みなさんの給与を支払うと同時に、海外企業への支払い等がある会社はこの日にドルを買って手続きをする必要があります。ドルの需要が高まるために、ドル高が進むというわけですね。

株式相場に大きな影響はないとされますが、為替の絡んだ株式投資をされている方は参考になさってみてください。

TOM効果

月末月初の境目では株価が上がりやすいというアノマリー。TOM効果は、Turn of the month effectの略で、月替りという意味にあてはまります。

月末は機関投資家等が保有している株式の評価を高めたいが為に、買いに走る傾向にあります。お化粧買いやドレッシング買いとも呼ばれ、今月の株式投資も良く出来ましたよと報告をするための装飾をするわけですね。

また、毎月積み立ての投資信託なども月末に引き落としがかかることが多く、株式投資を活発化させます。25日のお給料日に株を買うサラリーマンも多く、月末は株式投資の取引量が多くなります。

魔の水曜日

SQ値(先物取引やオプション取引で決済最終日までに反対売買されなかった場合、精算するために算出される指数)の発表がある週の水曜日は、相場が閑散とするというアノマリーです。このSQ値が発表される前に、機関投資家などが動くため、ボラティリティが高く活発化しやすいと言われています。

この週の水曜日は裁定取引(サヤ取り)による現物の売りが相次ぎやすく、相場が下落しやすいためにこのアノマリーが生まれました。

ロンドンフィキシング

日本の株式投資家に大きな影響があるわけではありませんが、代表的なアノマリーなのでご紹介致します。ロンドンフィキシングは為替レートに影響を与えると言われています。ロンドン時間の午後4時(日本時間午前1時)に世界中で取引される金の値段が決定し、金は基本的にドルで取引されますから、ドル相場は大きく動くことが多いです。

ドルレートが大きく動くので、チャンスともリスクとも捉えられます。株式投資でなくFX取引等を行っている人は覚えておくと良いでしょう。

二日新甫(ふつかしんぽ)は荒れる

1日が休日であったりして、月の初めが2日からの月は相場が荒れやすいというアノマリーです。3日から始まる月を三日新甫などと呼びます。

特に根拠はありませんが、昔株式投資を立ち会いでしていた時にはよく使われていました。

その他

アノマリーではなく、そういうものなんだと信じ切っていた!という方も多いのではないでしょうか?まずは有名なアノマリー小型株効果からご紹介致します。

小型株効果

小型株(時価総額が小さい)の方が、大型株よりもリターンが高くなるというアノマリーです。現代ポートフォリオ理論では、市場が正常に機能していた場合、株式の大小に関わらず、リスクによって株価は決まるとされています。

時価総額が小さいからと言ってリターンが大きくなるとは限らないのに、なぜか小型株に株式投資したほうがリターン率が高くなるという現象が起きています。

低PER効果

PERが低い銘柄は、高い銘柄に比べてリターン率が高くなりやすいというアノマリーです。PERとは、会社の利益と株価を比較して、安いか高いかを判断する基準になっている指標で、日本では15以下であると割安と言われます。

PERが低い=市場での評価が十分でない傾向にあるため、リスクの割には高いリターンを狙える可能性があるとされています。この反対を意味するアノマリーに高PER効果があります。

配当利回り効果

配当利回りが高い銘柄に株式投資をすると、低い銘柄に株式投資をした場合に比べてリターン率が高くなるというアノマリーです。

最後に、株式投資とは全く関係無さそうなのに有名なアノマリーをご紹介致します。

サザエさん効果/ジブリ効果

アニメサザエさんの視聴率が良かった次の日の株式相場は下がるサザエさん効果。そしてジブリ効果は、アメリカの雇用統計発表とジブリ映画のテレビ放映が重なるとドル円相場が急落するというものです。

どちらも株式投資には全く関係無さそうですが、アノマリー通りになっていることが比較的多く、あなどれないアノマリーであると言えます。

信ぴょう性

株式投資をする際に、アノマリーを頼っても良いものなのでしょうか。株式投資に関連するアノマリーをいくつかピックアップして、実際に検証してみましょう。

1月効果、セルインメイ

1月効果は元々アメリカの金融雑誌「Journal of Finance」で約40年前に発表されたアノマリーです。アメリカの富裕層の多くは、確定申告で支払う税額を低くしようと年末に損失確定をします。なので年末は株が売られる事が多く、年始に新たな資金で株式投資が再開される傾向にありました。

発表された当時はアノマリー通り1月に上昇する確率が高かったですが、相場環境も経済状況も異なる現代ではどうでしょうか。セルインメイはもともとイギリスで生まれ、5月~夏が終わるまでは相場が下落するので、相場を離れて10月にまた株式投資を始めようというアノマリーでしたね。

どちらも海外生まれのアノマリーですが、日本の株式投資にも関係するのでしょうか?1949年から2019年までの日経平均株価平均騰落率を使ってアノマリーの信ぴょう性を確認してみましょう。

月別の上昇確率と平均騰落率

(引用)
・第一商品 「月別の上昇確率と平均騰落率

 

まずは1月効果から。11月から4月までは上昇相場と言われている中、平均すると1月だけが負けている結果に。1月効果は昔の話で、現在ではあまり頼りになるアノマリーとは言えないでしょう。

セルインメイの方はというと、6月に一度上昇していますが、7月~10月は全てマイナスになっています。あくまで過去のデータ上ですが、信ぴょう性が高いアノマリーと言えるのではないでしょうか。ちょうど夏休みに当たる期間はマイナスになる傾向が高いですから夏枯れ相場のアノマリーも同じく信ぴょう性が高いと言えます。

小型株効果

小型株は大型株に比べて利益率が高くなりやすいというアノマリー。果たして頼りにして良いアノマリーであるのか、こちらも検証してみたいと思います。小型株は時価総額が低く、機関投資家などの大口の株式投資家が運用するファンドには規約上組み入れられない場合が多いです。時価総額が低いと、いざ売りたい時に売れない流動性リスクが高いこと、会社そのものの破綻リスクが高い等の問題点があります。

通常株価というものは、市場で評価されてやっと適正な価格になりますが、小型株は機関投資家等、市場での存在感が高い株式投資家の目に止まらないケースが多いと言えます。機関投資家側からすれば、自分の運用するファンドに組み入れられない大きさの株式をフォローする必要はありませんから、多くの小型株は市場で適正な評価を受けることができず、割安に放置されていることが容易に想像できます。

 

割安に放置されてるものを拾って、いざ適正な価格になった時に売却すれば、リターン率が高くなるのは納得がいくのではないでしょうか。実際に中小型株と大型株のリターンを比較したデータがあるのでご紹介致します。

魅力にあふれた中小型株

(引用)
・Invesco「魅力にあふれた中小型株

 

2018年末までの過去20年間の実績リターンですが、左側青の中小型株の方に株式投資した場合のリターン率が高いことがわかります。あくまでアノマリーではありますが、小型株が割安に放置されている原因が明確である点などから、かなり信ぴょう性が高いものであると言えるでしょう。

株式投資のアノマリーまとめ

すでに証明されたアノマリーも中にはありますが、まだ理論的には証明できていないアノマリーもたくさんあります。毎回アノマリー通りにいくわけではありませんから、アノマリーに頼りすぎず、株式投資をする上での参考程度にするのがおすすめです。

とはいえ、過去の経験から出来上がったアノマリーですから、ただの迷信と思わずに株式投資に活かしてみてはいかがでしょうか?

編集部員
さくら
知識として知っておいて損はないはずです!

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