1000万円の退職金で正しく資産運用を行う方法とは?

退職金運用

退職金は老後の生活を豊かにするための大切なお金。年金だけでは十分な暮らしが望めない今、退職金を運用することが必要となっています。しかし、資産運用は正しく行わないと退職金を減らしてしまうこともありますね。特に今まで投資をしたことのない人がいきなり退職金で資産運用を始めるのは危険です。

老後は万が一の時に備えても資金が必要であるため、退職金は全額運用するよりも万が一の備えも残して1000万円ほどを運用に回すことをおすすめします。そこで今回はマネーブリッジ編集部が1000万円の退職金を正しく資産運用を行う方法についてご説明します。

この記事の要点

・退職金の1000万円はリスクを抑えた運用を行うべき。
・希望するリターンに合わせて、賢く運用商品選びを行う。
・運用をプロにお任せできる投資信託やヘッジファンドなども活用し、賢く運用。

退職金1000万円を投資する際のポイント

1000万円分の退職金を投資する前にまず知っておくべきことは「退職金の運用は老後資金を確保するため」ということです。つまり、投資方針と投資計画をしっかりと理解しておくことが必要になります。退職金1000万円を投資する際のポイントを以下にまとめました。

1、リスクの少ない投資を心掛ける

1000万円もの退職金を運用する目的は、大半の人が「老後資金の確保」つまり「生活費」「万が一の蓄え」「余裕資金」の3つになります。老後は現役世代に比べて給与所得がなくなるため、一度大きな損失を出してしまうと資産回復の挽回することが不可能になります。そのため、退職金はリスクの小さい投資を心掛けることが大切です。

2、後の生活で必要な金額を計算しておく

老後の生活で必要な金額を把握しておくことも重要。老後の最低生活費は夫婦2人で月額22万円、ゆとりのある生活を送るためには34.9万円必要だとの調査結果が出ています。

(参考リンク)
・平成28年度 生活保険文化センター「生活保障に関する調査」(外部リンク)

 

標準的な年金額が夫婦2人(会社員と専業主婦)で22万円なので最低限の生活は年金で可能です。しかし急な出費や車の買換え、孫へのお祝い、介護費用などを考慮すると十分な額ではないでしょう。そこで、老後の生活でどの程度の暮らしをしたいかなどから必要なお金を計算しておくことが大切です。

必要な金額を知ることができれば、退職金の正しい運用を行うことができるので必ず行うようにしましょう。そこで、次の章で実際にどの程度の利回りで運用すればいくら手に入れることができるのかということをシミュレーションしていきます。

利回り比較!資産変化シミュレーション

退職金1000万円を60歳から80歳まで資産運用したケースを見てみます。1000万円を利回り3%、5%、7%、10%で運用した場合に分けてご紹介します。

1000万円を定期預金0.02%で運用した場合

比較的金利が良いと言われているネット銀行であれば、0.02%程。まず、比較として資産運用を行わずにネット銀行の定期預金に預けていた場合を見ていきます。

ネット銀行
(引用)
・ジャパンネット銀行 「円預金金利」(外部リンク)

1000万円を定期預金0.02%で運用した場合

期間 元利合計
5年 1001万円
10年 1002万円
15年 1003万円
20年 1004万円

このように、銀行に預けているだけでは20年たっても4万円しか増やすことができません。どこの銀行へ預けるかにより多少変わりますが、生活が変わるほどのお金を手に入れられるわけではありません。ここから、退職金の1000万円を運用した場合を見ていきましょう。

1000万円を3%で運用した場合

利回り3%で運用する場合、個人向け国債や社債、外国債券など安全性の高い商品での運用が向いています。ただ、個人向け国債では3%の利回りは確保できません。そのため、個人向け国債に加え、利率の高い社債や為替差益が期待できる外国債券などを組み合わせる事も検討する必要がありますね。

年利3%で1000万円を運用すると、20年で+600万円。リスクを出来るだけ抑えて、退職金を運用したい方は年利3%が実現できる金融商品で運用することを考えてもよさそうです。

1000万円を年利3%で運用した場合

期間 元利合計
5年 1150万円
10年 1300万円
15年 1450万円
20年 1600万円

1000万円を5%で運用した場合

利回り5%で運用する場合、社債や保険、退職金運用プラン等、リスクを減らしながらもリターンを狙う運用になります。株式の配当狙いの長期保有などもおすすめです。保険でも投資性の高いものや貯蓄性の高いものもあるため自分に合う保険を選ぶことが大切。他の金融商品との組み合わせを考えて、どのタイプの保険にするかを決めると良いでしょう。

退職金の1000万円を5%で運用すると、20年で倍になる計算。少しのリスクを取って、ある程度積極的に退職金を増やしていきたい方は年利5%程の金融商品での運用が最適です。

1000万円を年利5%で運用した場合

期間 元利合計
5年 1250万円
10年 1500万円
15年 17500万円
20年 2000万円

1000万円を7%で運用した場合

利回り7%で運用する場合は、少し攻めの投資を行う必要があります。株式や投資信託など多少のリスクを取りながらも、まとまったリターンを狙う運用を行うことになります。

退職金の1000万円を7%で運用すると、20年で+1400万円と退職金を2倍以上に増やすことが出来ます。総資産から退職金を差し引いても資産に余裕がある方は、年利7%程を狙い運用することで老後の生活レベルを上げられるかもしれません。

1000万円を年利7%で運用した場合

期間 元利合計
5年 1350万円
10年 1700万円
15年 2050万円
20年 2400万円

1000万円を10%で運用した場合

利回り10%で運用する場合、ヘッジファンドやリターンの大きい投資信託で積極的にリターンを目指す運用になります。株式投資や仮想通貨など別の投資方法で10%の利回りを狙うことも出来ますが、リスク管理の面から多少の手数料を支払い思い切ってプロに運用を任せる方法が良いでしょう。

退職金の1000万円を10%で運用すると、20年で+2000万円と退職金を3倍に増やすことが出来ます。プロに任せるなどしてリスク管理をしっかりできるのであれば、年利10%の攻めの運用で資産を一気に育てていくのも良いですね。

1000万円を年利10%で運用した場合

期間 元利合計
5年 1500万円
10年 2000万円
15年 2500万円
20年 3000万円

 

さてここまで、退職金の運用期間と利回りで得られる合計金額を比較してみました。投資期間が長いほど投資利回りによるリターンの差が大きくなります。退職金の額や退職金以外の蓄え、年金受取額によってどれだけのリスクがとれ、どれだけのリターンを期待するかによって運用法を決めることが重要です。

運用方法紹介!商品比較

ここでは、退職金1000万円の具体的な運用方法を商品別にご紹介していきます。リスク・リターン度合いが異なる5種類の運用方法を厳選したので、ご自身の取れるリスクと期待リターンを頭に思い浮かべながら読み進めて見てください。

1、国債

日本国内の債券で一番安全性が高く、個人でも手軽に買えることから人気がある「個人向け国債」。期間は3年(固定)・5年(固定)・10年(変動)と3種類から選ぶことができます。1万円から始められて売買手数がなく、1年間保有すると自由に売却することができます。

個人向け国債
引用:>>財務省 個人向け国債(外部リンク)

3年・5年の固定金利は、金利が決まっているので資産設計がしやすく、10年の変動金利は、金利は変動しますが期間が長い分高めに設定されています。

個人向け国債の概要

3年 5年 10年
期間 3年 5年 10年
金利 固定 固定 変動
購入場所 銀行、証券会社、農協、信用組合など
金利の設定 基準金利-0.03% 基準金利-0.05% 基準金利×0.66
購入単位 1万円以上、1万円単位
利息の支払い 半年ごと、年2回
中途換金 発行後、1年経過すると自由に売却することができる
注意点 中途換金すると直近の2回分の利息相当額×0.79685%が差し引かれる

 

銀行の定期預金よりは金利が高いため、1000万円の退職金を貯蓄したい人や低リスクで運用したい人におすすめの金融商品になります。

2、保険

保険には貯蓄性の高い保険と投資性の高い保険があります。資産運用を前提に保険を選ぶ場合は変額保険。変額保険は資金を株式や債券を中心に運用し、運用の実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。

この変額保険は、運用の利益を直接契約者に還元するため預かったお金を「特別勘定」と呼ばれる他の運用と切り離して運用します。運用成績が良ければ当初の予定よりも保険金額や解約払戻金が増えます。基本的に保険会社が決めた投資信託の中から契約者が好きな銘柄を選ぶという仕組み。

変額保険
(引用)
・アクサ生命HP「アクサの「資産形成」の変額保険」(外部リンク)

 

変額保険には終身型と有期型があります。どちらも基本保険金額の最低保証額は設定されており、解約返納金や満期金には最低保証はありません。利回りが5%~10%の保険もあり、退職金の1000万円を資産運用をしながら保障も受けたい人におすすめになります。

3、銀行の退職金運用プラン

大手銀行などでは退職金を豊かな老後を過ごすために「運用プラン」を設けており、定期金利の上乗せや、投資信託などリスクを最小限に抑えながらの運用プランを提案してくれます。

退職金運用の円定期預金金利一例

りそな銀行 SMBC退職金運用プラン 三井住友信託銀行
円定期預金/年率 0.5% 0.5% 0.8%

など、通常の定期(0.01%程)に比べて格段に金利が高く設定されています。定期預金以外には投資信託と円定期預金を組合わせたコースなどがあります。こちらの場合は預入れる資金の30%~50%程を投資信託に変えると円定期の金利が当初の3ヶ月間だけ年率2~6.0%ほどに上がるというものです。

 

りそな退職金
(引用)
・りそな銀行「退職金コース(りそなの資金運用プラン)」(外部リンク)

 

退職金の1000万円を投資信託でリターンも得ながら、高金利で預金を運用したい人におすすめです。ただし、この場合にセットとなっている投資信託は比較的手数料が割高なものが多い傾向にあります。実際の金融商品選びの際は、発生する手数料はしっかり確認した上で預け入れを行えると良いでしょう。

4、投資信託

投資信託も、退職金1000万円を運用するのに向いています。投資信託は完全にプロに運用を任せるため時間や手間がかからず便利です。いつでも換金可能なため急に資金が必要になった場合でも安心です。1000万円の退職金を投資信託で運用する場合に大切なのが「銘柄選び」になります。

 

投資信託の銘柄選びのポイント
・基準価格(投資信託の値段のこと)
・信託報酬(投資信託に支払う運用手数料)
・運用実績

・純資産総額(投資信託が運用している資産総額)

 

基準価格は、直近3年間の価格の推移が、目標としている指標を上回っているかが大切。さらに、信託報酬で年間のコストがどれ位かかるのかも確認しておきましょう。運用実績は、分配金や基準価格、純資産総額の推移が記載、実際に何に投資をしているのかも記載してあるので重要です。

退職金などリスクを取りたくない資金での投資の場合は、債券型やインデックスファンドなどで堅実に利益を得ることを念頭に置くと良いでしょう。

5、ヘッジファンド

ヘッジファンドはプロ中のプロの投資集団による運用になります。いかなる相場環境でも利益を上げることを目的にしているため、これほど頼もしい運用法はありません。最低投資額が数百万円から数千万円と非常に高額で、手数料も高いですが何が何でもリターンを得たい人におすすめの投資法です。

 

ヘッジファンドによっては利回りが20%を超えるものもあります。国内で有名なヘッジファンドはBMCAPITALやアズカル・アセットマネジメントなど。退職金の1000万円で大きなリターンを目指したい場合はヘッジファンドも視野に入れとくと良いです。ちなみに当サイトでは、退職金の運用に向いてる国内ヘッジファンドをランキング形式で紹介した記事もありますので、是非チェックしてみてくださいね。

まとめ

ここでは、退職金の1000万円を運用する際の注意点、おすすめ運用方法について見てきました。1000万円クラスのまとまった資産ともなれば、運用の難易度は自然と上がります。運用を投資のプロにお任せできる投資信託やヘッジファンドなども上手に活用し、効率よくお金をまわしていけると良いですね。

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